雪峰(ソルボン)の夢・序章


金剛山 三日浦地区・三日浦の光景より

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はじめに
金剛山観光でのりまき・ふとまきは、約200人の韓国人ツアー客と、ツアーリーダーの約20名の現代社員。金剛山観光船、雪峰号の船員さん。中国国籍の朝鮮人が中心である金剛山観光施設の職員の皆さん。そして観光施設の監視・案内をしている北朝鮮の人、更に監視専門の朝鮮人民軍兵士、あとは入管職員……そういう人々に囲まれて、2泊3日のツアーを過ごしました。
ツアー中、あっちこっちで『イルボンサラム(日本人)』と呼ばれ、注目の的になってしまったようですが、皆さん概して好意的で、正直気疲れしてしまうこともあったけれども、とても充実した体験が出来ました。ここでは韓国から朝鮮民主主義人民共和国に直接入国する、金剛山観光で私たちが体験した出来事を文章中心でまとめてみたいと思います。絶景また絶景の金剛山の写真は、別立てで詳しく紹介します。
なお、ここではなるだけ起こった出来事どおりに文章を書いていきますが、一部個人の名誉にかかわる場面は、表現をぼかします。もちろん登場人物は鄭夢憲氏以外、全て仮名です。


主な登場人物
のりまき
ふとまき

ミス・キム:のりまき・ふとまきに専属の現代社員。
ミス・イー:現代社員・ミス・キムとチームを組んで金剛山観光ガイドをしていた。
ミスター・パク:金剛山観光船、雪峰号【ソルボン号】のスタッフ、日本語が出来る。
金さん:金剛山の飴売り、忠清北道にある会社の派遣社員らしい。
崔会長:3日目の三日浦【サミルポ】で、のりまき・ふとまきの通訳を買って出た日本語堪能のおじいさま。全羅南道にある某会社の会長さん。
南さん:2日目のサーカスでのりまき・ふとまきの隣に座ったおじいさま。今回会った人の中で最も日本語が堪能。
徐さん:金剛山温泉で、のりまきと出会った人。日本語がある程度できる。
林夫婦:行きの雪峰号、そして金剛山観光でたまたま隣り合わせだったご夫婦。とっても仲良し夫婦♪
鄭夢憲・現代グループ会長
写真大好きベレー帽おじさん
そしてその他の皆様……


まずは3日間の、のりまき・ふとまきのお小遣い帳から(^o^)。
観光覚え書き代わりであります(^○^)。

なお、ピンクはお土産でありまする。

11月29日(木)
食事券(昼食・夕食:合計4回分)9ドル×4回×2人分=72ドル
金剛山温泉入浴券(1回12ドル、二日分まとめ買いすると20ドルに割引)20ドル×2人=40ドル
北朝鮮の金剛山ガイドブック(朝鮮語版):3ドル
      〃          (英語版):6ドル
お菓子(北朝鮮製・三日浦印の飴):5ドル
お菓子(北朝鮮製・やはり三日浦印のクッキー):5ドル
かぼちゃ飴(飴売り金さんが実演販売していたもの。)2ドル×2=4ドル

ソフトクリーム:1ドル×2=2ドル
ホテル海金剛内で飲んだコーラー:3ドル×2=6ドル

1日目合計:143ドル。ちなみに行きの船内で食べた昼食・のりまき(キンパプ)定食は6600ウォン×2=13200ウォン

11月30日(金)
ミネラルウォーター1本:1ドル
北朝鮮の金剛山ガイドブック(ポケット版):1ドル
きなこ飴:2ドル
九龍の滝トイレ使用料:のりまき・ふとまき二人で5ドル
コダック社の使い捨てカメラ:15ドル
サーカス観覧券(特別席)30ドル×2=60ドル
金剛山緑豆チヂミ:5ドル
コーヒー:1ドル×2=2ドル
缶コーラ:1ドル
フィルム(コダック社)4ドル×3=12ドル
フィルム(フジフィルム)3ドル×3=9ドル
北朝鮮製コチュジャン(とうがらしみそ):5ドル
北朝鮮製10種類タバコ詰め合わせセット:15ドル
絵はがき:3ドル


2日目合計:136ドル

12月1日(土)
北朝鮮記念銀貨(南北首脳会談記念銀貨)32ドル×2=64ドル
金剛山観光記念メダル(檀君)25ドル


3日目合計:89ドル。

〆て3日間で368ドル。ところで韓国からの皆さんも、いっぱいお土産買っていた人が多かったです。念のため〜〜


続いて観光上の諸注意。旅行会社から事前に貰っていたものです。
(原文のまま)


《11月12日FAXされてきた資料より》

…金剛山観光とは、限られた時間に限られた地域を観光するコースであり、50年もの間、私たちとは全く異なる体制と文化を維持してきた北朝鮮エリアでの観光ですので、格別な注意が必要となります。
下記の携帯禁止品目ならびに観光時留意事項を厳守していただき、楽しく、有益なご旅行となりますよう、お願いいたします。

携帯禁止品目
1.10倍以上の双眼鏡及び望遠鏡、160ミリ以上のレンズがついているカメラ、24倍以上(オプティカル基準)のズームレンズがついているビデオカメラ
2・個人の治療目的以外の薬品、商標や説明書が無く、その成分と用途が分からない薬品および商品
3.印刷物や絵画、文字版、録画テープ
4.偽造紙幣または大韓民国紙幣、日本国紙幣
5.医療目的以外の毒薬、麻薬その他の有毒性科学物質
6.武器、銃弾、爆発物、軍用品、凶器、放射性物質、引火物質
7.無電機とその付属品
8.伝染病が発生した地域の品物
9.その他、物品の性質や数量において、観光目的に適合しないとみなされる物品

観光時の遵守事項
※禁止事項
1.軍事施設、長箭港・高城港エリア、バス乗車区間、軍人や住民、コース内の環境保護巡察員の写真撮影またはビデオの撮影
2.煙草の吸い殻、塵紙、空き瓶、空き缶、食べかす、ビニール袋などの投棄
3.定められた場所以外での喫煙
4.化粧室以外での用便
5.自然風景、石彫刻、標識、歴史遺跡遺物、天然記念物、埠頭施設、道路施設、観光施設、観光奉祀施設等の毀損及び損傷
6.植物の採取、石や土を持ちかえるなどの行為、有用な動物の捕獲
7.自然環境/風致、観光施設及び観光対象物の毀損及び汚染(岩、木などへの落書きは厳禁)
8.携帯禁止品目を欺いて搬入するなどの行為
9.出入国管理事務所及び税関、通関時の故意的な業務妨害
10.山火事には要注意

違反時の制裁内容
観光時に“携帯禁止品目”を携帯したり、観光中に“観光時遵守事項”を守らなかった場合には、下記のような環境補填帆費が課せられます。十分にご注意下さい。
1.軍事施設、長箭港、バス乗車区間、軍人や住民及び環境保護巡察員など撮影禁止区域やその対象を撮影した場合、最大50ドルの罰金(FILM押収もしくは該当部分の削除など)
2..煙草の吸い殻、塵紙、空き瓶、空き缶、食べかす、ビニール袋などを所定の場所以外に捨てた場合、また、観光地で唾を吐くなどの行為をした場合、程度により最大で15ドルの罰金
3.指定された場所以外で喫煙した場合、程度により最大で15ドルの罰金
4.化粧室以外の場所で用便をした場合、最大で10ドルの罰金
5.自然風景、石彫刻、標識、歴史遺跡遺物、天然記念物、埠頭施設、道路施設、観光施設等を毀損・損傷させた場合、最大50ドルの罰金
6.植物の採取や有用な動物の捕獲、石や土を持ち帰るなどの行為をした場合、程度により最大25ドルの罰金
7.携帯禁止品目を欺いて搬入した場合、最大100ドルの罰金
8.船、荷物、動植物の検査・検疫ならびに観光客の出入国審査の際に、故意に業務を妨害したり、スムーズな業務推進に支障を与えた場合、程度により10ドルの罰金

※上記の留意事項以外にも、次頁の“指摘事例”にあるような行為などは、不必要に北朝鮮の方を刺激し、誤解を招く恐れがありますので、そのような言行は慎んで頂きますよう、お願いいたします。

指摘事例(ご参照ください)
1.北朝鮮の体制批判や、彼らの自尊心を刺激するなどの行為
ー“北朝鮮は遅れている”、“あなたはかわいそうだ”などの言葉
ー北朝鮮体制に関する政治的用語や表現
2.外国の新聞や雑誌、書籍を持ち込む行為
ー外国の全ての刊行物は、観光船に置いて下船するようお願いします。
3.岩や絶壁に刻まれている北朝鮮の宣伝文句を指差したり、批判する行為
4.北朝鮮指導者または高官の名前をむやみに呼んだり、公然に批判する行為
5.北朝鮮から、工作員に誤解される言動
ー“北朝鮮から韓国に帰順した人々は、よく暮している”などの言葉
6.石碑を踏む、登るなどの行為(写真撮影も厳禁)
7.観光行程以外での写真撮影
ー囲いを倒したり、登山路上や歩道をはずれて写真撮影をするなどの行為
8.小型ラジカセやラジオを携帯し、放送を聴取したりする行為
9.登山中や頂上で叫ぶときに、北朝鮮を刺激するような言葉を使用する行為
11.北朝鮮の住民または環境巡察保護員に、新聞をあげたり飲食物を提供する行為
ー環境巡察保護員に新聞を薦めた。
→これは、自尊心を傷付けただけでなく、その人をからかったという理由で指摘
ー女性の環境巡察保護員にライターをお土産としてあげた。
→これは、公務執行を妨害しただけでなく、その人をからかったという理由で指摘
ーバスで移動中、子供たちに飲食物を贈呈することも、指摘事項として挙げられています。
12.日章旗及び星条旗がプリントされた衣服の着用は禁止

北朝鮮エリアでの制約は多いですが、上記事項さえお守りいただければ、過度な心配は不用です。
隣町に出かける、という程度の軽い気持ちで、観光を楽しまれてください。
ただ、隣町に行けば、そこの風習を尊重し、それを守らなければならないということ、その気持ちを忘れることなく、金剛山へお出かけください。

《11月23日・宅急便で旅行会社から届いた資料より》

注意事項
樹木を折らない、自然を破壊しない、唾を吐かない、立ち小便をしてはならない、喫煙所以外でタバコを吸わないなど、日本では常識的なマナーでありますが、これも規則として制約されています。違反した場合は、罰金が課される事もありますので、充分にご注意ください。
乗船後、船内で日本語または英語を話すガイドより北朝鮮入国に際しての注意事項の案内があります。
北朝鮮入国にあたって必ずお守り頂きたいことは、写真撮影禁止地域での撮影、撮影を禁じられている物の撮影です。(北朝鮮の監視員、軍事施設、北朝鮮の人、港湾施設等)
見つかった場合、カメラ、フィルム等は没収されます。充分ご注意ください。
なお、カメラの望遠レンズは160mm以下、ビデオカメラは24倍以下の望遠、双眼鏡は10倍以下に規定されております。
また、北朝鮮入国〜温井閣休憩所、各コース駐車場までの移動中、撮影は厳禁です。
ハイキングコースでの北朝鮮監視員との会話、握手等は全く問題ありませんが、彼らの写真撮影はかたく禁じられています。コースで監視員を見かけた際は、ご自由にご談笑ください。概して監視員も友好的で和やかな雰囲気です。

(注)上記の注意事項は、全て現代グループの金剛山観光部門が作った文章です。


以上の金剛山観光の注意事項に関しては、
金剛山で靴下洗って罰金15ドル!?…も参考にしてみてください。


雪峰の夢(1)へ続く (出発〜2日目終了まで)

雪峰の夢(2)へ飛ぶ (金剛山出航の朝〜金剛山到着まで)

雪峰の夢(3)へ飛ぶ (金剛山到着日の出来事)

雪峰の夢(4)へ飛ぶ (金剛山2日目の朝〜九竜淵コース出発まで)

雪峰の夢(5)へ飛ぶ (九竜淵コース@)

雪峰の夢(6)へ飛ぶ
 (九竜淵コースA)

雪峰の夢(7)へ飛ぶ (金剛山2日目終了まで)

雪峰の夢(8)へ飛ぶ (金剛山3日目朝〜海金剛)

雪峰の夢(9)へ飛ぶ (三日浦〜金剛山観光終了まで) 

雪峰の夢(10)へ飛ぶ (金剛山旅行終了後の韓国旅行編)



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