金剛山日記
(第七巻)


金剛山で建設が予定されている、離散家族面会所の場所を示す看板と金網


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2005年7月12日(火)
いよいよ金剛山日記も第七巻目です。今回は少々志向を変えてみて、金剛山の景色ではなく現在建設予定の、「離散家族面会所」の場所を示す看板と、金網の写真にしてみました。
さて、最近行なわれた南北経済協力推進委員会で、東海線と京義線の鉄道・道路についても話し合われているとのこと。そうなるとやがて金剛山まで鉄道で行けるようになるのでしょうか?ひょっとして次回ののりまき金剛山行きは鉄道で??
《朝鮮日報》
与党が金剛山で修練大会
《中央日報》
韓国、「北に50万トンのコメ借款」、南北経推委で提案
【写真】ウリ党・金剛山修練大会

7月18日(月)
金剛山観光に新たな動きが見え始めました。元山で現代峨山会長の玄貞恩氏と金正日氏との会談があって、韓国側からの開城、白頭山、そして内金剛の観光開始について合意したといいます。
開城と白頭山は来月には試験観光開始といいますが……工業団地建設が進んでいる開城はひょっとして予定通りいくかもしれませんが、白頭山は『白頭山まで飛行機で直接ないし、平壌まで飛行機でそこからは陸路を検討』ということだそうですので、北朝鮮の交通機関の現状を考えると、かなり実現は先の話となるでしょう。
内金剛にしてもそうで、のりまきが実際に行った経験からすると、道路など交通機関の整備を北朝鮮側に任せていたらいつまでたっても観光開始は難しいでしょう。もっとも整備を韓国側に任せる覚悟があれば、金剛山観光の現状を考えると意外と早く実現するでしょう。これは開城と白頭山についても同様です。韓国側にどのくらい任せて貰えるのか、そして北朝鮮各地に韓国側からの観光が広まっていったらいったいどうなるのか……今後の展開は要注目です!
《朝鮮日報》
文化部長官「南北つなぐ観光プログラム本格的に進める」
【7月18日】白頭山も観光実施の予定
白頭山観光、来月から北朝鮮から直行へ
《中央日報》
白頭山天池、開城朴淵滝、早ければ来月から観光
北朝鮮観光地「選んでいく時代」到来か
【社説】白頭山と北核と別途で進めないように
「鄭夢憲会長には金剛山を与えたから私には白頭山を与えると約束」玄貞恩現代会長
【写真】金委員長に会った現代会長
《東亜日報》
「韓国の技術と北朝鮮の資源」南北の新経済協力が始動
離散家族面会所、来月30日金剛山で着工 韓赤総裁が明かす
白頭山と開城市、来月にもテスト観光開始
金総書記と面会する玄貞恩現代会長

7月27日(水)
いよいよ六ヶ国協議が始まりました。いったいどのような結果となるのでしょう??
《朝鮮日報》
現代峨山、「白頭山観光」政府支援を要請
北朝鮮観光ブーム巻き起こるか?
《中央日報》
白頭山試験観光、来月2回以上実施
【社説】「白頭山観光」合意の全貌を明らかにすべき
《東亜日報》
現代、白頭山観光で韓国政府に支援要請へ

8月8日(月)
ここしばらく、珍しく(?)ヨーロッパ方面に旅行に行ってきました。その間も六カ国協議が続けられたのですが、結局休会……まあ、北朝鮮との対話は『上手く行かなくとも悲観せず』の精神で行かねばどうしようもありません。
それにしても今回、ナチスの強制収容所の跡を見学したのですが……あのようなものが今現在、北朝鮮国内で活動を続けているのかと思うとぞっとします。確かに北朝鮮強硬派が言うことにも一理はあるのです。だからといって金剛山観光のような南北対話の動きに意味がないのかというと、それもまた違うと思います……本当、難しいところです。
金剛山関連では、東海線の鉄道の開通関係についての動きがあったようです。また、開城観光は北朝鮮側が“直営”を主張しているという点が最も興味深い話です。金剛山観光の経験で自信を持ったのかもしれませんが……北朝鮮の観光経営はまだまだ士族の商売の段階だと思います。ここはやはり現代峨山に任せた方が無難では??
《朝鮮日報》
現代峨山が独自監査着手、金潤圭社長に不正疑惑
北が「北南経済協力法」制定、経協の原則定める
現代グループ、故・鄭夢憲会長2周忌追悼行事
政府、白頭山観光に50億ウォン支援
南北、10月末に京義・東海線のテスト運行へ

《中央日報》
現代グループ、現代峨山代表取締役の個人不正を摘発
南北、9の経済協力合意書を発効
【写真】コメも人も金剛山へ
南北、「今年10月に列車の実験運行」で一致
《東亜日報》
金潤圭現代峨山副会長、内部監査でスキャンダル発覚
開城観光事業で北朝鮮「われわれが主導」

8月22日(月)
いよいよ開城観光が始まりそうですね〜やっぱり早く行きたいな!行きたいな!!あと、ついに現代峨山の金潤圭副会長が事実上の失脚……前回の金剛山行きの際、私は氏の実に自信満々の姿を見たのですが、わからないものです。
《朝鮮日報》
「開城テスト観光の価格、一人当たり17万5000ウォン」
南北赤十字会談、23日から金剛山開催へ
金潤圭・現代峨山副会長が事実上の引退
現代峨山「北朝鮮・開城のテスト観光実施」
金潤圭・現代峨山会長の去就、19日に決定へ
金剛山登頂する「希望天使団」会員たち
金潤圭・現代峨山副会長の去就、週明けに持ち越し
金潤圭・現代峨山副会長の退陣が秒読みに
《中央日報》
金正日総書記、北朝鮮代表団のハンラ山訪問を提案
【社説】北朝鮮に造成される南北共同営農団地
現代グループ、金潤圭氏を代表取締役職から退かせる
実験的な開城観光、来月まで3回実施
【社説】南北家族再会、イベントではない制度化へ
《東亜日報》
「DMZ生態公園の経済性、北朝鮮も関心」
最後の記事、興味ありますね!やはり金剛山を世界遺産にしようという声はあるのですね。朝鮮戦争がなければ自然・文化の複合遺産でも行けたかもしれませんが、現状ではまあ自然遺産での登録を目指すのが妥当でしょう。多分登録に際しての大きなネックは、例の金親子などの顕彰文字になるでしょうが(笑)。

9月6日(火)
このところ金剛山観光・そして開城観光に色々と動きがあります。とりあえず記事を並べてみます。
《朝鮮日報》
北朝鮮の「国内メディア叩き」続く 開城観光の取材拒否
北で冷遇された玄貞恩・現代グループ会長
北、長官級会談の場所変更を提議、三池淵飛行場の工事遅延で
金剛山で離散家族面会所の着工式
金剛山離散家族面会所、今日着工
金剛山離散家族面会所、31日着工へ
北が金剛山観光客数を縮小、金潤圭副会長の辞任に抗議
北が金剛山観光客数を縮小、金潤圭副会長の退任が影響か
建設中の金剛山ゴルフ場
玄貞恩・現代グループ会長を支える長女のチョン・ジイ課長
南北離散家族二次再会、今日から金剛山で
開城テスト観光実施
開城テスト観光実施、500人が日帰りで
開城のテスト観光実施
【赤十字会談】年内に離散家族再会を実現
【赤十字会談】北「拉北者の安否確認はできない」
南北赤十字会談、国軍捕虜・拉北者の安否確認へ
南北赤十字会談、25日まで金剛山開催へ
《中央日報》
北、朝鮮日報の訪朝取材を相次いで拒否
【記者ブログ】北朝鮮が提供した50万キロ走行ベンツ
金潤圭氏「北が金剛山観光縮小した理由、私もわからない」
南北第11回離散家族再会行事が終了
【社説】北は現代峨山の人事にまで干渉するのか
【写真】北朝鮮記者団の腕章に注目
【写真】離散家族対面前の行列
【写真】金剛山の秋
北「金剛山観光人員、9月から半分に削減」と通報
【写真】近くなった開城
開城観光時代が幕開け…テスト観光実施へ
南北赤十字会談、合意文章採択に失敗
【写真】南北赤十字代表が金剛山で会談
南北赤十字会談、生死確認対象で隔たり
《東亜日報》
北朝鮮 玄貞恩会長に徹して冷ややか
離散家族面会所
金剛山観光客、来月から半分近く削減 北朝鮮が現代に通告
開城観光、始まる
金剛山が泣いた
南北赤十字会談
離散家族再会・離散家族面会所着工・開城観光開始という明るいニュースと、金剛山観光客半減などの暗いニュースがありますね。確かに金剛山観光を第一線で引っ張ってきた金潤圭氏の解任は、北朝鮮側にとっても衝撃であったでしょうが、やはり開放が進みすぎたと感じた場合に北朝鮮が良く見せる『アレルギー反応』である可能性が高いと思います。
玄貞恩・現代峨山会長を金剛山で冷遇したのは、かなり高い筋(ひょっとして金正日?)からの差し金であるとは思います。北朝鮮の体制から考えると、ここまでの態度の急変はやはり上部機関から指示されてのものでしょう。ただ、本当に怒っているのならば入国禁止や観光の中止を実行することもできるわけで、要は嫌がらせのレベルに留まっています。観光客の減少は北朝鮮の収入減に直結しますので、ある時期が来れば収まる話だとは思います。亡き夫の鄭夢憲氏もさんざん北朝鮮には振り回されてきましたが、玄貞恩氏もこれから大層苦労しそうです。

9月19日(月)
今回はちょっと予想が外れたようですね……玄貞恩現代グループ会長はなんと北朝鮮に喧嘩を売ったのです!「卑屈な利益よりも正直な良心を選びたい」とは、いいタンカを切ったものです。韓国政府も北朝鮮側も戸惑っています。北は他の企業に開城観光などへの参加を働きかけたりしていますが、韓国の対北朝鮮観光事業は現代グループの独占状態が続いてきたので、未経験の他企業がおいそれと参加できるわけはありません。中央日報の社説にもあるように、これまでの北朝鮮の気紛れな態度を見れば観光事業のリスクは明らかに高く、あえて参加をしたいと思う企業は少ないと思います。
今のところお互いに手を打つ方向に事態は進みそうですが、金正日氏は執念深そうですし、たとえ今回の事態が上手く収まったとしても、いったん大きな亀裂が走った現代と北朝鮮側との間にまたトラブルが発生することは充分に考えられます。それにしても玄貞恩氏はなかなかの喧嘩上手ですね。亡き夫、鄭夢憲氏よりも逞しいような気がします。これからも北朝鮮にとってなかなか手ごわい相手になるかも知れません。
どうも金潤圭氏のことは、報道されている以外にも裏がありそうな気がします。例えば北朝鮮側と贈収賄に近いやりとりがあった可能性もあるのではないでしょうか?
のりまきが今回の事態で一番興味深かったのが、現代との関係がギクシャクすると、金剛山観光での北朝鮮側の態度が急変したということです。北朝鮮ではやはり上の意向が絶対で、個人的な思いや発想などは極度に押さえつけられていることがよくわかります。そんな息苦しい社会はいったいいつまで続くのでしょうか?
《朝鮮日報》
「第12回離散家族再会」11月初めに金剛山で開催
金潤圭副会長「対北朝鮮経済協力は維持すべき」
「玄貞恩・現代会長と北朝鮮当局者が近く会合」
「金剛山観光の中断はない」南北閣僚級会談で北側が表明
【閣僚級会談】金剛山観光正常化と非核化を再度要求
現代の「対北事業問題」、開城公団事業への飛び火が懸念
金潤圭副会長「希望する企業と北朝鮮との間を取り持ちたい」
現代、対北事業の独占権確保に5億ドル支給
政府も玄貞恩現代会長を圧迫か 現代の独占権認めず
鄭統一長官が現代の玄会長と接触 金剛山観光問題を協議
ロッテ観光、北提案の開城観光事業を拒否
「金潤圭副会長側、対北事業を独自に進めるもよう」
統一部長官、「金剛山事業」で北に問題提起
現代グループと北朝鮮が神経戦 双方の次の切り札は?
北朝鮮に言うべきことを言った「現代」
玄貞恩現代会長が指摘する金潤圭副会長の「不正内容」とは
北、ロッテ観光に開城観光事業を提案、現代峨山「反発」
玄貞恩・現代会長「対北朝鮮事業が岐路に」
現代会長「泣いて馬謖を斬る思い」 金潤圭副会長退陣に
「金潤圭社長を復帰させよ」 北が開城観光中断を警告
現代峨山、対北観光事業「悪化の一途」
北、白頭山観光の交渉も拒否
《中央日報》
北朝鮮「金剛山観光、中断しない」
金潤圭氏「北朝鮮関連事業、望みの企業があれば連結したい」
ネチズン「北朝鮮には断固たる態度を」
【噴水台】玄貞恩
鄭統一相「政府、金剛山観光に積極的に介入する考え」
【社説】南北経済協力、北朝鮮の手に弄ばれてはならない
ロッテグループ「開城観光と関係ない」
【写真】暗い表情の現代会長
【社説】卑屈な利益よりも正直な良心を選択する
北、ロッテ観光に開城観光事業を提案
玄貞恩会長「金潤圭副会長、泣いて馬謖を斬る思いで懲戒措置」
【写真】酒類製品を見る開城観光団
《東亜日報》
「現代の意志に懐疑した」北朝鮮、金剛山観光で不満漏らす
鄭統一部長官、金剛山観光事業でで関与意志を表明
現代が独占権ある開城観光事業、北朝鮮がロッテにも打診
南北閣僚級会談 きょう平壌開催 「平和問題」が主要議題
ハンファグループ、開城リゾート地建設に参加
北朝鮮が白頭山観光交渉を引き延ばし
善竹橋・朴淵滝の親しみが…

10月9日(日)
現代峨山が揺れています。金潤圭副会長はついに解任され、現代峨山との縁が切れてしまいました。故鄭周永、鄭夢憲氏の側近中の側近として現代建設の社長、そして対北朝鮮事業の中核として活躍し続けた金潤圭氏の退場はやはり大きなニュースです。
しかしついこの間まで名誉職として会社に残るとされていたのに、どうしてこんなことになってしまったのかというと、韓国政府が金剛山観光のために投入した公金(南北協力基金)を、金潤圭氏が懐にしたという文字通り致命的な汚職騒ぎによるものです。
この疑惑が公になった後、韓国政府は「そのような事実はない」との火消しに躍起になっています。しかし私は状況的に限りなくクロに近いと感じています。
経営が破綻状態を続けていた現代峨山にとって、公的資金の援助がなければ金剛山観光を続けられなかったことは周知の事実です。巨額の赤字を抱えた現代峨山にもかかわらず、訪れる度に充実をし続ける金剛山の施設を見れば、その支援振りを想像するのは容易です。巨額の韓国政府の公的資金が金剛山に投じられているのですから、金剛山観光事業から私腹を肥やした金潤圭氏の懐に公金も流入したと見るのが自然でしょう。ひょっとしたらどこまでが会社の資金で、どこからが公金かという区別もあいまいなのかも知れません。
しかし公金の横領となると、現代が進めてきた対北朝鮮事業、ひいては韓国政府の北朝鮮宥和政策への正統性に大きく傷がつくこととなります。ここはとりあえず“政治的配慮”で、公金横領の事実はなかったとされるのではないでしょうか?
北朝鮮支援をしている市民団体の中には金潤圭氏を告発する動きもあるようです。金潤圭氏への疑惑は金正日との個人的関係、会社の事業資金流用、個人的知人を優遇する、そして公金横領と、田中角栄を思わせる東洋的な公私混同、法治ならぬ人治の世界ですが、そこに近代的な法治の論理がどこまで迫って行けるものやら……究極の人治社会である北朝鮮との交流を進めるにあたって、どこまでも法治の論理を押し通すことにも無理がありそうな気もします。
そういえば先日、ソウルで現代峨山の職員の方にお会いして来たのですが、今回の騒動については「上の方のことはよくわからない」と、コメントを避けられてしまいました。結局、こんなに大きな騒ぎとなってしまったのですから、そのように答えるしか他なかったのでしょう。また、かつて現代峨山では給料の遅配もあったそうです。たしか金潤圭社長に至っては無給で働いていた時期もあったはずですが、こんなに横領をしていれば無給でも全く問題なかったでしょう。
《朝鮮日報》
ロッテ観光、早ければ今月末にも北と開城観光交渉開始か
ロッテ観光が開城観光に参加へ、北「現代は排除」
北朝鮮さながらの統一部による現代攻撃
現代、統一部の“顔色うかがい”、公式立場2度も変える
統一部「金潤圭氏、協力基金流用していない」
北が観光公社に「白頭山観光協議」提案、現代には連絡せず
「南北協力基金1400億ウォン、現代峨山に流入」
現代峨山、金潤圭副会長を解任
南北協力基金も流用?金潤圭問題が新たな局面
現代「金潤圭副会長、8億2000万ウォン横領」
統一部「南北協力基金流用説は事実無根」
「現代峨山副会長、南北協力基金など数十億ウォンを流用」
「金潤圭副会長、温井閣の分譲めぐり数億ウォン単位のリベート」
南北経協事務所、来月25日開城公団で開所式
白頭山観光の年内実現が雲散
後退する北朝鮮政策、その背景は?
《中央日報》
北朝鮮「現代の対応に困惑」
現代峨山の金潤圭副会長が解任
統一部「南北協力基金に問題なし」
現代、金潤圭氏を副会長の職から解任
「金潤圭氏の不正資金に南北協力基金含まれる」
【社説】対北不正、政府の監督府行き届きの責任は大きい
現代「金潤圭副会長秘密資金8億ウォン造成」
南北経協事務所、開城に10月25日開設
鄭統一相「対北支援費用には『先行投資』の概念含まれる」
白頭山観光、年内実施は困難
11月5日から金剛山で第12回南北離散家族再会
金潤圭副会長「現代対北事業手伝いたい」
《東亜日報》
韓国の対北支援、北朝鮮の態度に悪影響
南北協力基金1400億ウォンが現代峨山に直接入金
朴代表「南北基金流用の徹底捜査」を要求
金潤圭氏の南北基金流用問題、真相解明の声高まる
金潤圭氏の「金剛山秘密資金」、8億中5億は南北協力基金
白頭山観光、年内実現できず
そして……ここに来てロッテ観光が開城観光に乗り出す話が進み出しました。白頭山観光も韓国観光公社に話を持ちかけているようですし、もともと現代が対北朝鮮事業の“独占”を約束していたはずなのですが、今後いったいどうなっていくのでしょうか?また、今北朝鮮が外国からの援助を断わる方針を打ち出していることも注目点です。どうも北朝鮮当局としては国の内情を見せたくないらしいというのが理由のようですが、現代峨山の社員によると金剛山観光でも同じような点が感じられるといいます。外からの波が北朝鮮にも押し寄せて来て、あわてて戸口を締め出したということでしょうか?

10月25日(火)
現代と北朝鮮との諍いは、どうも北朝鮮側も返り血を浴びかねない状況に立ち入ってきました。
今回の騒ぎの発端は鄭周永・鄭夢憲両氏の下で永年、対北朝鮮事業の先頭を切って活躍してきた金潤圭氏を、鄭夢憲氏の未亡人である玄貞恩現代グループ会長が辞めさせたことにあります。
辞めさせた理由は金潤圭氏が会社の金を使い込んだことや、金剛山観光事業で知人に対して便宜を図ったことが挙げられていますが、このこと自体は真実でしょう。ただ、解任の理由は多分他にあるのだと思います。現代グループ創業者一族の鄭氏に嫁に来て、夫の自殺後急遽後継会長になった玄貞恩氏にとって金潤圭氏の存在はあまりに大きすぎ、専横の度が過ぎたことが最大の原因ではないでしょうか。
金潤圭氏が解任されるにあたって、氏が公金である南北交流基金を懐に入れたという正真正銘の汚職が問題となりかけましたが、この追求は尻つぼみに終わりそうです。のりまきはこの疑惑も真実だと思いますが、問題は対北朝鮮秘密送金事件にも見られるように、現代峨山自体が不透明な金の流れにどっぷり浸かっている事実があって、この辺の疑惑を真面目に追求してしまうと金剛山観光を始めとする南北交流事業全体の正統性を崩壊させかねないので、結局中途半端なことになってしまったのだと思います
今回の事態を受けて韓国の統一部は現代グループをかなり執拗に批判していきましたが、これはあくまで牽制が目的であって、あまり現代グループを追いつめると衝撃的な事実暴露などされかねませんので、これも適当なところで終止符が打たれるでしょう。
ところで北朝鮮側の公式見解は、『金正日将軍様が信任した金潤圭氏を解任するとはけしからん』というものです。困ったことにこの公式見解、事実である可能性が高いのです。
北朝鮮では金正日氏の意見は絶対的なものです。金正日氏の信任を受けた人物を勝手に解任するのはけしからんという立場を北朝鮮側が取るのは、かの国の体制から見て不思議ではありません。あたかも徳川時代の将軍に謁見した人物は、たとえ大名の臣下であってもみだりに処罰できなかったように、韓国の会社がその社員を不祥事で解任することも、その人物が金正日氏の信任を受けたのであれば勝手に解任するのは許せないことなのです。
しかしこれは国際的なルールから大きく逸脱することです。会社で不祥事を起こした人物の人事を、他の国の最高指導者の信任という理由で左右することなんて通用するはずがありません。(もっとも現代グループは自国のことと北朝鮮側は考えているのかもしれないが)
もちろん今回の事態は言われているように現代グループ以外ともビジネスチャンスを持ち、開城や白頭山観光を高く売りつけようとする北朝鮮側の思惑もあるのでしょう。しかし対北朝鮮事業は現代グループと行なっていくとの約束を交わした厳然たる事実があります。もちろんこの約束を交わすために現代グループは北朝鮮に陰に陽に多くの“支援”を行なったわけです。多くのウラがあって、決して胸の張れることばかりではない約束なのですが約束は約束です。
北朝鮮は今回、この約束をいとも簡単に反故にしようとしています。ビジネスでの約束事をいとも簡単に破る北朝鮮……そんな相手に投資が出来るのか!北朝鮮に対する眼は厳しさを増しています。ロッテグループが興味を持ちつつも開城観光へ乗り出そうとはしないのも、ビジネスの相手としての北朝鮮が信用できないからに違いありません。北朝鮮が信用されるようにならない限り、これまで長い付き合いのある現代以外に、北朝鮮観光事業に本格的参入が可能な会社が現れる可能性は低く、実際北側も現代との仲直りの方向も模索しているようです。
もっとものりまきが見ると今回の事態には、極度の閉鎖社会である北朝鮮にとってやはり南北交流事業は大きな負担であるというもう一つの隠された原因があるような気がします。交流の進展に伴い、外からの情報の流入が進み、『地上の楽園』が実は単なる地獄であることが知れ渡ることを恐れているのです。これまでも金剛山観光が順調に進みだすと突如として北朝鮮が無理難題を吹っかけるという事態が立て続けに発生しましたが、これも事業の順調な進展→情報の一般住民への漏洩→体制神話の崩壊→体制崩壊の引き金……というシナリオを恐れてのことと考えると納得できます。
しかし破綻状態を通り越している北朝鮮経済を考えると、金剛山観光を始めとする南北交流を止めることは人工呼吸器を外すことにつながりかねません。突っ張っているように見える北朝鮮ですが、今後取れる施策は極めて限られています。
《朝鮮日報》
北、現代峨山に金剛山観光協議を提案
政府、「金剛山事業」南北経済協力推進委で協議
現代建設、「統一牛」専門料理店オープンへ
朝中の経済協力が加速化「北中貿易路線」誕生へ
金前現代副会長「対北事業は現代が引き続き担当すべき」
北朝鮮の事業契約破棄理由「社会主義は人の心が重要」
深まる北・現代の葛藤 峨山病院職員の平壌訪問を拒否
北、現代峨山との白頭山観光協議を拒否
金潤圭前副会長、明日帰国 北の「事業見直し」発言めぐり注目
「国情院金銀星次長、現代グループ不法盗聴した」
現代グループが5億ドルで獲得した「独占権」とは?
北「金潤圭副会長に開城観光任せば正常化可能」
「現代との全ての事業を全面見直し」北が談話発表
北「金潤圭副会長復帰させなければ事業全面再検討」
統一部次官「対北支援は未来のための投資」
現代建設の売却先は?
統一部、北の経済再建を本格支援、タスクフォース設立
統一部次官「現代の対北7大事業独占権は有効」
ロッテ観光「開城観光事業、北側の提案受け入れ難しい」
統一部長官「現代の監査資料公開できない」
現代会長「北朝鮮は兄弟、辛抱強く待つ」
北朝鮮による開城観光パートナー交替に振り回されるな
《中央日報》
北、現代に金剛山観光事業協議を提案
静かになった北朝鮮…何事?
「北朝鮮関連事業、現代がすべき」金潤圭氏が帰国
崔章集教授「統一を最優先にすれば南北いずれにも苦痛」
北朝鮮、現代峨山役員2人の訪朝を不許可
金潤圭現代峨山前副会長、22日帰国
現代、「金潤圭氏復帰は受け入れ難しい」
【社説】北朝鮮の不当な干渉に政府はなぜ干渉するのか
北「現代との全ての事業を全面的に見直す」
北朝鮮、南北貿易で約1500億ウォンの黒字
「韓国は北朝鮮宣伝にもてあそばれるトロイの木馬」米デニス・ハルピン議員
統一部次官「現代・北朝鮮間の7大事業合意は有効」
離散家族再会候補者200人の名簿を交換
南北経協公社設立推進
ロッテ観光「北と開城観光協議しない」
北、ロッテ観光に1千万ドルの支援要求
《東亜日報》
金潤圭氏が帰国、南北協力基金流用問題、検察捜査求める声も
北朝鮮、現代関係者の訪朝を拒否
北朝鮮、「現代との全事業見直す」と明言
[社説]南北交流と大韓民国の国基
この7月、スパイ経歴10人の訪朝を許す
金潤圭氏の不正行為、法律に基づいて措置

11月29日(火)
ちょっと金剛山日記の更新、空いてしまいましたね〜〜さぼらずにきちんと更新しなければ!
これからホームページの構成も本格的に見直していきます。もっと金剛山の魅力について、わかりやすく紹介していきたいと思いますので皆様よろしくお願いします_(._.)_
金剛山観光については、ある意味玉虫色の解決となりました。今回の騒ぎが起きた9月前の状態に戻ったのです。思いのほか頑固で原則派の玄貞恩現代グループ会長の意志に北朝鮮側が折れた形となりました。それにしても何度か話題にしていますが、玄貞恩氏は上手く世論を味方につけるなど、なかなかのやり手です。
もともといくら駄々をこねてみたところで北朝鮮側は韓国側から金を貰う立場、これまでもさんざん文句や脅しをかけたところで、結局譲歩してしまうという成り行きが多いのです。それならば北朝鮮は韓国の言うことを聞いていくのか……と思いきや、8年目に入る金剛山観光で北朝鮮が決して譲歩を見せない面があるのです。それは金剛山に住む地元の人々との接触を極度に恐れ、制限しているところです。制限はこの7年間で緩むことはなく、最近むしろ強化された面もあるといいます。
また開城と白頭山の観光では、現代と北朝鮮側の交渉には全く進展がありません。この面での対北朝鮮交渉は、今後困難を極めることでしょう。また、金潤圭問題で改めて明らかになった南北交流事業のウラ事情も、今回は予想通り(!)あいまいにされてしまいましたが、いつの日にか大きな問題となって浮上することでしょう。
《朝鮮日報》
金剛山観光正常化、オンライン予約開始へ
【News Blog】現代グループ玄貞恩会長の“母性経営”
李種革「開城観光開始まで時間かかる」
統一部長官「来年から南北観光“黄金時代”始まる」
「開城・白頭山観光、必ず成就させる」現代会長、19日訪朝へ
鄭東泳統一部長官、18日から2日間金剛山訪問
白頭山テスト観光、早ければ来年春ごろ行なわれる見込み
現代峨山、白頭山観光事業交渉に参加
猪木氏「北朝鮮で格闘技大会開催する」
金剛山観光、今月18日から正常化へ
北、離散家族再会現場の取材活動を妨害
訪朝した玄貞恩会長「互いの信頼を再確認した」
統一部次官「南北協力公社設立、慎重に話し合い進める」
第12回離散家族対面、涙の別れ 公式日程終了
現代会長10日訪朝、「対北交渉、見通し明るい」
南北経済協力拠点“平和都市”建設案が浮上
現代会長が10日訪朝、亜太平和委員会副委員長と協議
現代会長、訪北前に統一部長官と会合へ
大統領府「南北協力公社の設立を保留」
現代グループ玄貞恩会長、10日に訪朝予定
南北離散家族再会2日目、個人対面後に観光
現代峨山、来週中の訪朝可能性を示唆
「対北事業必ず成功させる」現代峨山、登山で決意新たに
第12回南北離散家族再会、5〜10日金剛山開催へ
北「現代峨山の尹萬俊体制、認めない」
現代峨山ー北・アジア太平洋委員会、来月協議の見込み
「金剛山面会所に南北赤十字職員が常住へ」
北、現代峨山社長に2ヶ月間「入国禁止措置」
グリーンに載せればホールインワン 金剛山ゴルフ場来年オープン
《中央日報》
北朝鮮、金剛山観光責任者を更迭
「開城・平壌観光の活性化に期待」鄭統一相が訪朝
【写真】北朝鮮へ向かう鄭長官ー玄会長
猪木氏、金剛山での異種格闘技大会開催を計画
【社説】金剛山復元させた現代の対北朝鮮交渉
【社説】離散家族行事での北朝鮮の横暴、なぜ抗議しないのか
金剛山観光、18日から正常化
現代・玄貞恩会長「北の誤解とけた」
【社説】現実性のある対北朝鮮支援策に向けて国民の合意を作るように
訪朝を控えた玄会長、鄭統一相と会談
【写真】離散家族の別れ
第12回南北離散家族再会、5日から金剛山で
第11回南北経済推進委、合意に至らず
金潤圭氏内部監査の主導者、崔容黙現代社長辞任
北、大学生1600名の金剛山訪問を電撃許可
《東亜日報》
南北離散家族のテレビ再会、定例化を推進
北朝鮮、韓国記者の離散家族再会取材を阻止 金剛山再会会場
玄・現代会長「北朝鮮との誤解は解けた」
現代、北朝鮮に誠意を表わしたか
……それにしても、アントニオ猪木は本当に金剛山で異種格闘技大会をやる気なのでしょうかね??

2006年1月11日(水)
やっぱり空いてしまった金剛山日記。う〜む〜〜しっかりせねば!
皆様、2006年あけましておめでとうございます_(._.)_
2006年は早いうちに金剛山行きを実現させたいと思い、動き始めています。金潤圭問題に一応の決着を見た11月後半以降、金剛山観光は相当好調で、昨年2005年は初の黒字を計上したようです。
もっとも中国に行ったのやらロシアに向かったのやらよくわからぬ金正日総書記に代表されるように、北朝鮮自体は相も変らぬ意味不明状態国家ぶりを発揮しているので、またいつなんどき情勢が激変するかわかりません。開城・白頭山観光の行方も全く見えていません。
また現在アメリカが進めている北朝鮮の秘密口座への締め付けは、現代峨山の対北朝鮮送金口座の変更等、金剛山観光にまでも影響を与えています。非合法の北朝鮮の金づるを断ち、数少ない合法的収入源である金剛山観光収入へも圧迫を加えられて北朝鮮は大いに困っているでしょう。最近の日本の拉致問題に関する新情報の流出は、こうしたアメリカの動きと関わりあっているのではないでしょうか?
さて、2006年は北朝鮮、そして金剛山情勢はどう動くでしょうか?
《朝鮮日報》
韓国が開城に電話局を設立
北朝鮮、訪朝者の錦繍山記念宮殿などへの参拝許可を要求
北朝鮮、豪・シンガポールなどでも秘密資金口座を運用
第17回南北閣僚級会談、9項目の共同報道文に合意
現代峨山、初の営業利益達成か
南北民間直通電話が開通、分断以降60年ぶり
教職員互助会、1700億ウォン規模の金剛山事業断念
現代峨山関連職員、金剛山で飲酒運転 北朝鮮軍人2人死傷
金剛山ツアーで韓国人観光客が自殺
2005年「財界のスターたち」
《中央日報》
保守勢力の人物ら34人、金剛山で安保討論会
【社説】いつまで金剛山観光費用を支援するつもりか
現代峨山、金剛山観光料送金口座をオーストリアに変更
<ニュース分析>米、新口座も制裁するのか…政府も注視
金剛山観光、初の黒字見込まれる
現代協力業者の職員、金剛山で北朝鮮兵士はねる…3人死傷
「朝米核問題対立続く」…2006年北朝鮮情勢は
南北協力基金3406億、何にいくら使ったのか
「マカオ凍結口座は金正日総書記の統治資金」米
《東亜日報》
韓国ー北朝鮮の民間直通電話、60年ぶりに再開
現代峨山、今年50億の収益
北朝鮮労働者10万人の供給能力は未知数
北朝鮮に初のKT電話局設立
[オピニオン]「対南指令通信」
それにしても金剛山と韓国を繋ぐ電話が国際電話であるとは知っていましたが、日本経由の衛星電話だったとは……知らなんだ!

2006年5月20日(土)
4ヶ月あまりぶりの金剛山日記であります。長らく更新が止まった理由のひとつは、前のパソコンが天寿を全うしたことによりますが、最大の原因は更新をさぼっていたわけです。ポリポリ……
この間、2月には懲りもせずに6回目の金剛山に行ってきまして、色々なお話を聞いてきました。なかなか公表が難しい話もありますが、公表方法を検討中です。
この間の金剛山関連ニュースは大きく4つ。まず離散家族の再会事業で取材トラブルがあったこと。またぞろ現代グループにお家騒動が勃発したこと。そしてついに南北を繋ぐ鉄道の試験運行話が具体化し始めたこと、そして最後は内金剛の試験観光話が具体化したことです。

離散家族問題ですが、『客観的事実』と『北朝鮮での事実』が異なることはよく言われることですが、『北朝鮮による拉致や拿捕』という言葉自体、北朝鮮には公式存在しない言葉なのでしょう。ただし外交交渉のカードとして利用されることはあるでしょうから、話がややこしくなるのです。つまり「当方はそんな問題は感知しない」。というのが基本姿勢であるくせに、外交交渉のカードとして使える場合だけは協議に応じるという使い分けをしているのです。拉致問題も援助を引き出すカードとして使えるときだけは使うという感覚なのでしょう。
【社説】韓国政府、今回も北に屈したのか

現代グループの問題ですが、今度は鄭夢準現代重工業グループ会長の乗っ取り策が表面化したという話です。前回は鄭相永金剛高麗グループが乗っ取りを画策しましたが、それにしてもよく親族に狙われるものです。これには鄭家の事業のトップに嫁である玄貞恩氏が責任者になるのがけしからんという論理があるようです。確かに玄貞恩氏が率いる現代グループは現代財閥の本家筋ですのでそんな文句も出るのかもしれません。現代自動車グループが不正資金問題で苦境に立たされた時に、現代グループ最大の企業である現代造船株の買占めに走ったという経過も、現代一族の力学が働いたのかもしれません。
まあ、鄭氏一族が現代グループを仕切ろうと、嫁に来た玄貞恩氏が仕切ろうと、この点に関しては世襲というアナクロニズム内の争いであることは否定できません。
現代グループ会長、鄭夢準議員を名指しで批判
この乗っ取り、企業規模という点だけからすれば圧倒的に有利な現代重工業が、簡単に現代グループを飲み込むことが出来そうなものですが、そうはいかないのが現代峨山の存在なのです。現代グループの買収には対北朝鮮事業を行う現代峨山が必然的についてきます。買収には北朝鮮に対する姿勢、ビジネスを行う覚悟が要求されます。『北朝鮮事業から撤退』なんて言おうものなら、韓国政府や世論からどのような反発を買うかわかったものではないのです。前回の大統領選のゴタゴタを思うと、鄭夢準氏が対北朝鮮事業に向いているかどうか、資質に疑問があるというのは頷けるところです。
最近は現代峨山も好調なようですが、こんな状況がいつまで続くかわからないのが金剛山観光、いや、対北朝鮮事業の恐ろしいところです。
現代峨山、「対北朝鮮総合商社」に変身中
【ニュースブログ】ウォン高でホクホク顔の現代峨山

鉄道連結ですが、まあ工事はそれなりに継続して進めていましたが、試運転までは行っても、その先の鉄道の定期運行まではきっとまだまだ長い道のりでしょう。ただ、大きな情勢の変化がなければそれも実現される可能性が高いとは思います。
【社説】3年で7000億ウォンかけた京義線の試運転
金大中前大統領、25日に列車で平壌入りか
朝鮮人民軍、鉄道開通に合意したもよう
【社説】南北鉄道連結合意、今回こそは実践へ
「金前大統領の列車訪朝は別問題」
[社説]南北鉄道の試験運転、一過性イベントで終わってはならない。

また、内金剛観光の試験がこの27日に行われるとの記事が出てきました。日本語で読める良い記事がないので、韓国語のこの記事のリンクをしておきます。内金剛ですが、現状で観光して本当に大丈夫なのでしょうか?二年前北朝鮮側から行った経験からすると不安です。

2006年7月12日(水)
5月以来、とっても色んなことが起きた、というより、起き続けているという方が正確でしょう。
まずは5月25日予定の鉄道の試運転が中止となり、6月末には第14回南北離散家族再開事業で韓国拉致被害者で日本人拉致被害者の横田めぐみさんの元夫ある金英男氏が、金剛山で母と姉に再会を果たしました。再会場所の一つである金剛山ホテルがやたらとテレビに映され、なつかしい感じがしました(笑)。
その直後、ミサイル発射騒動です……一体全体どうなっているのでしょうか?そしてこれからどうなるのでしょう??
それにしても今のところ金剛山自体には大きな変化はなさそうです。7月11日には金正淑休養所をリニューアルした外金剛ホテルがオープンしましたし、ゴルフ場建設等も順調なようです。まあ外金剛ホテルのオープニング式典は北朝鮮側の欠席で中止となったようですが、ホテルそのものはオープンしましたので観光自体に大きな変化はないようです。ただ、対北朝鮮制裁が発動されてしまえば、金剛山観光事業の継続自体に赤信号が点るわけで、これからしばらく一寸先も全く読めない事態が続くのでしょう。
YONHAPNEWS
金剛山に気象観測所、統一部と現代峨山が推進
外金剛ホテル開館行事、北朝鮮が突然キャンセル

2006年7月23日(日)
北朝鮮情勢の緊迫化は金剛山にも押し寄せてきています。まずは7月19日に離散家族再開事業中断に伴い、離散家族面会場の建設中止のニュースが入ってきました。
それから今や北朝鮮の大きな収入源の一つとなっている金剛山観光が問題となりつつあるようです。
《中央日報》
韓米「開城、金剛山ドル」めぐり対立
《朝鮮日報》
【ミサイル】韓米、開城・金剛山事業について意見交換
【ミサイル】離散家族カードを切った北の次の一手とは
確かにアメリカが金剛山観光や開城工業団地事業を問題視するのは理解できます。北朝鮮の数少ない収入源ですから……しかし極度の金欠に悩まされているという北朝鮮が、金剛山観光を中断する決意を示すというのは普通では考えにくいことです。もう一つ、毎日のように多くの韓国人観光客が金剛山を訪れていることは、アメリカなどが強硬な実力行使に出ないようにする“人質”の意味も持つことが出来るわけです。仮にも同盟国の国民が毎日1000人単位で観光客として訪れている国を、いきなり武力攻撃なんか出来るはずはないでしょう。
 ただ、北朝鮮は常識が通じない国ですから、というか今回の事態を見ると危機の当事者能力自体を失って迷走しているようにも見えますので、危機感をより煽るために金剛山観光の中断を選ぶことはありえることと思います。
もっとも開城観光をめぐってこんなことを言ってくるくらいですから、今のところ金剛山観光も開城工業団地事業も北朝鮮は中断する気はないようですが……

2006年8月1日(火)
金剛山観光がかなり大きく変わったようです。まず7月11日の外金剛ホテルのオープンに合わせて、金剛山観光の出発場所がこれまでの金剛山コンドミニアムから花津浦峨山レストハウスに移動になりました。そして7月10日から観光の日程も変わり、選択で金剛山観光特区ツアーという観光コースを選べるようになりました。見学場所はゴルフ場や高城港刺身店のいけすなどで、北朝鮮の漁民から魚介類を直接購入しているという高城港刺身店のいけす見学ですから、金剛山での南北共同事業の成果を示すツアー内容のようです。北朝鮮情勢の緊迫化とともに金剛山観光への風当たりも増していますが、現代峨山も必死のようです。
そういえば今日はこんなニュースがありました。現代グループ会長の玄貞恩氏はまだまだ対北朝鮮事業への意欲を失っていないようです。さてはてどうなりますやら……

2006年8月6日(日)
この7月の金剛山観光客数が、前年比でほぼ半減したようです。まあ、現在の情勢を考えれば観光客の減少はある程度仕方のないところで、よく半減程度で収まったとも言えましょう。北朝鮮側も今のところ金剛山観光を始めとする南北経済協力事業を中断させるほどの勇気はないようです。(中央日報の記事はこちら)。しばらくこのような状態が続くのでしょうか?

2006年9月15日(金)
金正日国防委員長が金剛山の最高峰、毘盧峰を訪れたようです(こちらの記事も参考)。興味深い写真もありまして、これが本当の毘盧峰山頂ならば展望台が出来ているようですね。実際に行って確かめてみたいものです。

2006年9月22日(金)
このところ金剛山関連の面白いニュースがちらほらありますね。ハンナラ党の国会議員が金剛山にいる朝鮮人民軍の兵士にアイスを渡そうとしてトラぶった事件中央日報の記事はこちら)。それから金剛山で働く北朝鮮女性職員の多くが、二重瞼にするための整形手術を受けているという話です。
まあ、金剛山では兵隊さんはとにかく妙にむす〜っとしています。どうも金剛山観光客に対して厳しい顔を崩さないように仕向けられているようです。そうそう、こちらの記事も参考になります。まあ人民軍兵士には、“階級の敵”が金剛山をほっつき歩いているとでも教育しているのかもしれませんが……そんなことなら金剛山観光など止めてしまえばいいと思います。でも日に日に厳しさを増す各国の経済制裁の中、お金がない北朝鮮にとって背に腹は変えられないのでしょう。いつまでこんな無理が続くのでしょうか?
金剛山で働く北朝鮮女性は確かに美しい人が多いですが、自然な雰囲気の清楚な感じがする女性も少なくなく、本当に全員が整形しているの?という疑問もありますね(笑)。まあ、特別に人を選んで集中的に教育を施しているのは間違いないと思いますが。

2006年9月26日(火)
このところ金剛山関係で面白い記事が出ております。まずは北朝鮮に支払う観光料について。これは最近2泊3日観光の場合80ドルになったとか……もともとは50ドルであったのが昨年5月に70ドルとなり、そして現在は80ドルに値上がりしたのだとか。確かもともと海路でやっていたときは100ドルだったはずなので、それからすればまだ安いのですが、北朝鮮に対する経済制裁措置が国際的に開始されている最中、この値上げの話は論議を呼ぶことでしょう。ところで金剛山で働く北朝鮮労働者の賃金も北側に渡っていますね〜〜これの計算はどうなったのでしょう??
《朝鮮日報》
北朝鮮の金剛山観光収入、2年間で76パーセント増
韓国から北朝鮮への現金流入、年間1億ドル以上に
50万ドル積んだ現金輸送車が毎月開城公団に通うワケ
米世論「北朝鮮への現金支援に反対」で一致
その他、こんな興味深い記事もあります。
現代峨山前副会長、訪朝時はVIP扱い
税金で現代峨山支援……韓国観光公社の手口明るみに
【コラム】「大韓民国よ、しっかり立つことは出来ないのか?」
ここで何度も紹介しているように、金剛山観光と開城工業団地は北朝鮮の今や数少ない収入源になっています。アメリカや日本は北朝鮮への圧力を強めるために金剛山観光と開城工業団地への厳しい見方を強めるでしょうし、北朝鮮側は何とか収入源の確保と収入を少しでも増やそうとするでしょう。これからしばらく目が離せない状況が続きそうです。
*観光料についてはこのページも参考になります。現代側も1998年に締結した当初の観光料支払いの約束を守れなかったことと、2001年に観光料を観光客数によって支払うように決定した後、海路の観光料が100ドルにあるのになぜか陸路が50ドルとされたことが尾を引いているようですね。

2006年10月6日(木)
北朝鮮の核実験実施発言があって、いよいよ金剛山観光は正念場を迎えました。それにしても本当に核実験、するのでしょうか??してしまったら北朝鮮に現金収入をもたらしている金剛山観光は大きな非難を浴びる上に、だいたい情勢が極度に緊迫化した国に毎日千人単位で観光客を送り込むこと自体が厳しくなるでしょう。核実験はミサイル発射とはわけが違います。東亜日報の記事ですが、このようなことになっても仕方のないことでしょう。中央日報もこのような記事を載せています
それにしてもあれだけの金をつぎ込んで造ったホテル・ゴルフ場やらなんやらは、いったいどうなってしまうのでしょう?だいたい金剛山は観光客の減少に歯止めがかからないようですし……

2006年10月9日(月)
核実験問題で北朝鮮情勢は大揺れですが、金剛山では10月初めに農協の支店がオープンしました。また9月末以降、週末には外国人専用の英語ツアーも始まっています。金剛山ではこれまで最大の観光施設、金剛山ゴルフ場の建設が続いていて、これまでのところ中断したとの話は聞いていません。金剛山ではきっとかたずを飲んで核実験問題の成り行きを見ているでしょう。果たして金剛山ゴルフ場はオープンできるでしょうか?
(追記)今日は午前中に日記書いていました。そうしたら北朝鮮がとうとう核実験をしたとのニュースが入ってきました。まあ、たしかに実験はしたのでしょうが、先日のテポドン発射のように上手くいかなかった可能性もありそうです。北朝鮮の状況を考えると、実験を成功させるだけの技術力の裏づけがどこまであるのか疑問があるのです。
金剛山観光はまさに最大の危機を迎えることになりました。今のところこの記事が一番よくまとまっています。これまで様々な危機を切り抜けてきた金剛山観光もいよいよ中断してしまうのでしょうか?


2006年10月10日(火)
金剛山観光はまさに正念場です。金剛山は戦前の日本植民地時代から紅葉の時期は一番の観光シーズンです。今日も1200人の予約が入っていたのが、北朝鮮の核実験の影響で350人がキャンセルして850人が金剛山へ向かったとか……350人のキャンセルという数字をどう読むか、微妙なところです。まあそんなものとも言えましょうし、三分の二以上の人は旅行を中断しなかったというのが意外とも言えるでしょう。確かなのはいずれにしても現代峨山にとって大打撃であるということです。ミサイル騒ぎ以降ただでさえ観光客が減っているのに、これではもし今回の事態で金剛山観光を韓国政府が中断させなくとも、対北朝鮮事業を行う現代峨山に充分大きな打撃をもたらすことになります。強制力のある観光の中断となってもならなくても、金剛山観光の危機には変わりはないのです。
金剛山観光事業以外の開城工業団地事業、京義線・東海線の鉄道と道路の連結事業も同様に厳しい状況に陥るに違いありません。工業団地は現在拡張中ですが、これでは参加する企業がなくなるでしょうし、これまで進出した企業も撤退を考えるでしょう。金剛山観光と開城工業団地が中断してしまえば鉄道と道路の連結も大きな利用目的を失い、意味を失います。
韓国国内では撤退に消極的な意見もあるようです。これは今まで金剛山や開城に多くの投資をしてきたことも一因と思われます。例えば金剛山観光はこれまで8年間、巨額の投資をしてきました。いまさら撤退は考えられない……というわけです。一つの考え方ですが、これまで太陽政策と言う韓国の国策に従って北朝鮮に投資をしてきた面があるので、全額は無理としてもある程度韓国政府が補償をするという考え方もあると思います。
あとはこれまで太陽政策を進めてきた人々が、どのくらい対北朝鮮事業に賭けているのかという面もあります。対北朝鮮事業を進めている人々は相当な使命感を持っており、言葉ではなかなか上手く説明できないのですが、金剛山に何度も行ってみると、日本で思っているようには簡単に止められる事業ではないというのも確かに感じることなのです。事実、これほどの苦境に陥っても現代峨山は自分から金剛山観光の看板を下ろすつもりはないようです
この記事にもあるように、韓国政府の決断にはある程度の時間がかかると思われます。(中央日報のこの記事も参考)。

2006年10月11日(水)
連日金剛山関連のニュースが目に付きます。今日は大幅キャンセルのためにガラガラになった金剛山行きのバスの写真が目に留まりました。確かにガラガラですね〜まあ、それでも半分の人々は予約を取り消すことなく金剛山へ向けて出発したようですが……後で紹介する東亜日報の記事によれば、多くのキャンセルは団体客のようです。
あと、この記事も要チェックでしょう。私は前から気にしていましたが、いざ朝鮮半島有事ともなれば金剛山観光客は北朝鮮の人質となることを正面切って取り上げた記事は知る限りこれが初めてです。以前、金剛山で働く現代の社員さんが「金剛山観光が続けられなくなったら戦争だ」。というお話をしていたことがありますが、意外と真実味のある話なのかもしれません。
今日のベストは東亜日報の記事でしょう。金剛山観光の現状について一番詳細に紹介している記事も良いですが、金大中政権、盧武鉉政権と時の韓国政府の太陽政策に乗って進めてきた対北朝鮮事業の泥沼に陥った、現代グループについて解説したこの記事が特に良いです。また開城工業団地についてのこの記事も面白いです。ただ確かに現代は泥沼に陥ってしまっていますが、のりまきが見るに『あえて火中の栗を拾いに行った』感がなきにしもあらずです。
他にも気をつけねばならない点はあって、朝鮮日報にしろ中央日報にしろ東亜日報にしろ、日本語版の記事がある新聞は比較的保守色が強いのです。この世論調査の結果を見ても、確かに金剛山観光と開城工業団地を中断すべきとの意見が多数派ですが、40パーセント以上の人が続けるべきとの意見を持っているわけで、韓国では金剛山観光を続けるべきと考えている人も決して少なくないのです。今後どのようなことになるのでしょうか?

2006年10月13日(金)
韓国政府は金剛山観光を継続させる意志を固めたようです。もう少し状況を見てから判断すると思ったのですが、決断は思いのほか早かったです。韓国国内でも論議が続いているようですし、韓国政府の考え方もいまいちはっきりしませんが、国連で協議中の制裁決議案との整合性や、そして何といってもアメリカとの調整が難航するに違いありません
昨晩韓国人の友人から聞いた話なのですが、現代グループの玄貞恩会長は「金剛山に行きたい人が一人でもいる限り金剛山観光は続ける」。との宣言をしたそうです。もはや現代グループは金剛山と心中するつもりのようです。これまでの経緯から、現代グループは金剛山と心中するしか道が残されていないとも言えましょう。
もっとも「一人でも行きたい人がいれば観光を続ける」。とは言葉のあやで、本当に観光客が一人になってしまったら観光事業が立ち行かなくなります。事実2001〜2002年には大幅に観光客が減少し、観光が中断すると言われていました。それを救ったのが韓国政府の観光支援策だったのです。そもそも金剛山観光は金大中前大統領の太陽政策に乗って始められた政治色が極めて強い事業で、韓国政府の援助がなければとっくに破綻している事業です。今回の事態を解決するために韓国政府は、政府の援助を一切打ち切るとの解決策を模索したようです。そうすれば金剛山観光事業はすぐに資金的に行き詰まり、中止に追い込まれるでしょう。しかしこの解決策は実現が見送られました。
韓国国内だけの問題ならば、次期大統領選の行われる来年末までこのような状態が続くのでしょうが、アメリカがどこまで黙っているかが注目点です。今のところ北朝鮮に対する武力行使の可能性は低そうですが、千人単位の韓国人が北朝鮮領内の金剛山に滞在し、また多くの中国系朝鮮族が働いている金剛山観光のようなことをやり続けられては、アメリカは尚更戦争を始めにくくなります。金剛山観光のおかげで北朝鮮に少なからぬ現金が渡されていること以外に、アメリカの行動に大きな制約を与えかねないことが今後問題になっていくような気がしてなりません。
あと、現代峨山の尹万俊社長が近々北朝鮮を訪問するとか……あまり成果は期待できそうもないですが、どうなりますやら……

2006年10月15日(日)
国連で北朝鮮への制裁決議案が可決されました。そうなってくると金剛山観光が確実に槍玉に上がってきます。何せ北朝鮮の数少ない現金収入源ですから、金剛山観光で手に入れた外貨でよからぬことをするのでは?と思われても仕方のないところです。
ただテレビや新聞などでの報道を見ても正確でない面もあって、金剛山観光で北朝鮮に渡されているお金は推定ですが1年間で2000万ドル前後と思われます。金剛山観光での北朝鮮の収入額はこの新聞記事を参考にしてみてください。ちなみに金剛山観光で得られる北朝鮮の収入は観光料ばかりではなく、金剛山で働く北朝鮮労働者の賃金や金剛山玉流館などの北朝鮮側が行っている商売、そして毎日行われているサーカス公演や北朝鮮の歌のコンサート収益などがありますが、入山料から見ればかなり少ないと思われます。
2000万ドルは日本円にして20〜30億円程度であり、びっくりするほどの巨額ではありません。核開発に年間どのくらいのお金がかかるか知りませんが20〜30億円では足りないのではないでしょうか?しかもこの額は北朝鮮が純粋に手にするドルの額で、その中から金剛山で観光客を監視する人民軍の維持費用や、商売で得られる収入などでは人件費などの必要経費を捻出しなければなりません。純益はもっと少なくなるはずです。
しかし2001年6月以前は金剛山の観光料は定額制で、月に10億円を超えるお金を支払っていました。確かにこの額なら核開発などの軍事費用への転用を疑われても仕方のないレベルと思います。1998年11月から2006年8月までに北朝鮮が金剛山観光で手に入れた入山料収入は4億5152万ドル。これは500億円を軽く超える金額で、確かに“やばい”金額です。しかしその多くが2001年6月までに支払われたお金で、現在は比較的少ないレベルになっているのです。金剛山観光の当事者などから「金剛山観光事業は北朝鮮への制裁の対象外」。という声が聞こえてくる理由として、このような事情もあるのです。
ちなみに金剛山観光のために1998年11月から2006年8月までに韓国側が投資した金額は3億455万ドルといいますから、これも400億円近くになるでしょう。この投資額は金剛山観光が中止になってしまえばどぶに捨てたお金とはなるでしょうが、ホテルやゴルフ場などの観光設備と金剛山へ向かう鉄道と道路の整備などに使われたお金なので、北朝鮮の軍事力増強に関係する部分はほとんどないでしょう。この巨額の投資が、韓国が金剛山観光から手を引くのをためらわせているという面はあるでしょうが……
続いて金剛山観光に関する韓国各紙の記事を紹介します。
《朝鮮日報》
【核開発】韓国の対北経済協力事業の行方は?
【核開発】対北政策をめぐり溝深まる韓米関係
【核開発】「金剛山・開城は無関係」韓国、対北事業継続へ
【核開発】現代峨山社長、17日に訪朝
【核開発】混迷深める韓国政府
《中央日報》
外交部「決議と金剛山・開城工業団地は無関係」
《東亜日報》
「金剛山観光・開城工団開発を中断せよ」

2006年10月18日(水)
この二日ばかり体調不良なのですが、金剛山情勢は待ってくれません(笑)。とりあえず日記くらいは書きたいと思い、パソコンに向かっています。
金剛山観光について非難する声がアメリカを中心に高まっています。日本でも問題視する意見が強いようです。まあ、かの北朝鮮に現金収入の途を与えているわけですから、非難はある意味当然です。基本的に現金の使い道は指定できるわけではないのですから、北朝鮮に渡った金剛山の観光料がミサイルや核兵器になる可能性を否定するのは不可能です。
ただ、どうも金剛山観光に対する知識が不十分と思われるな記事も散見され、気になるところです。いずれにしても北朝鮮情勢は現在、注目度が高いのですから色々な面からのアプローチが望まれます。
特にクリストファー・ヒル米国務省東アジア太平洋次官補が述べたとかいうこの意見は???です。金剛山観光が北朝鮮の金づるであることは間違いありませんが、開城工業団地が良くて金剛山観光がダメな理由が全く筋が通っていません。どうしてかというと金剛山観光は北朝鮮との共同事業の性格が強くなっていて、金剛山ホテルなどでは韓国側スタッフと北朝鮮側スタッフが一緒に働いており、また金剛山周辺の農場では北朝鮮側に農業の技術移転も積極的に行っており、金剛山観光も北朝鮮の改革側面での理解は充分に可能です。
しかしアメリカが金剛山観光を開城工業団地よりも目の敵にする理由は確かにあって、まずはこれまで金剛山観光の方が開城よりもはるかに多額の金額を北朝鮮に渡してきたことと、そしてもう一つ、韓国人以外にも多くの中国系朝鮮族が働く金剛山は、朝鮮半島有事の際に開城工業団地よりもやっかいな存在となることです。あと強いて挙げるとすれば金剛山観光は開始後8年になろうとしており、開城工業団地よりも対北朝鮮経済支援の代表と見られがちな点もあるかもしれません。
《朝鮮日報》
【核開発】大統領選の道具と化した対北政策
【核開発】対北制裁めぐりウリ党とハンナラ党が中傷合戦

韓国大手企業「核問題で来年の経営見直す」50%
【核開発】米国「金剛山観光は北に資金提供する事業」
【社説】世界中が韓国政府の対北政策を注視している
【コラム】金正日政権にこれ以上現金を与えるな
【核開発】韓国「“対北事業の継続”公式見解ではない」
【核開発】「核音痴」の韓国政府
【核開発】「対北事業の中断は対韓投資に悪影響」
《中央日報》
【社説】米と完璧な協調が北核解決への近道
米国「南北経協を見守る」 韓国「特に問題ない」
苦悩する青瓦台「包容政策はすでに調整中」
国情院「対北交流一時中断が必要」青瓦台と衝突
【社説】北核対処する意志も、行くあてもない政府
《東亜日報》
大統領府・統一部、核対策をめぐり他省庁と意見対立
米専門家ら「南北経済協力継続は韓米合意違反」と批判
統一部、対北事業で公企業にマスコミ対応指針通達
《連合ニュース》
ライス米国務長官、南北経済協力事業継続に否定的
潘基文長官「北朝鮮制裁の履行、韓国に問題はない」
ヒル次官補、金剛山観光事業に否定的な見方
バーシュボウ大使「韓中は北朝鮮協力検討すべき」
ヒル次官補「開城・金剛山、韓国政府の決定尊重」
宋室長「北朝鮮関連事業、運用方法調整を検討」
「南北間事業は韓国政府が決定する」ヒル次官補
金剛山観光をめぐる記事は多いですね!それにしても「北朝鮮に行っても人質にならないことを示すために」金剛山へ行ったという韓国与党のウリ党国会議員のパフォーマンスは噴き出してしまいます。観光に行って人質になるようならばいくら現代でも観光を中断します!記事を読むと相変わらず東亜日報の記事の視点が光ります。特に米専門家ら「南北経済協力継続は韓米合意違反」と批判の中の、「飢えた人民に渡るコメの提供は中止し、金正日(キム・ジョンイル)政権に現金が渡る開城工団および金剛山観光事業を続けることは偽善だ」。との指摘はなるほどです。金剛山観光を中断できない大きな理由のひとつは、これほどまでの投資を金剛山に行った現代グループとその背後にある韓国政府が、「今さら後には引けない」と思っていることがあるのです。

2006年10月19日(木)
相変わらず金剛山観光は揉めています。韓国政府は今度は学生などの金剛山観光に出されていた補助金をカットすると言い出しました。これはいわゆる“統一教育”のために学生や教師などが金剛山へ行くことを奨励するための補助金で、そのおかげで私もよく金剛山では学生や教師の団体と出会いました。お話を聞くとまあ『統一教育』らしい講義などもメニューに入っているのですが、結構しっかり観光してまして、実は雪嶽山など韓国国内の観光名所から睨まれていた制度でもあります。もともとこんなことまでして金剛山にお客を呼ぶこと自体が問題あったわけなのですが、金剛山で学生や教師の団体様に遭遇する機会の多さを考えると、この補助金の中断は意外とこたえるような気がします。
まあ、これは中断論と存続論に揺れている金剛山観光を「一応政府の補助金はカットしました」とのアメリカなどに対する言い訳に使おうとしているのが見え見えであるので、こんな小手先なことするな!との予想通りの反発が起きています。
《朝鮮日報》
【核開発】金剛山観光の資金は北の資金源なのか
【核開発】開城公団、賃金支払い方法が問題
【核開発】対北制裁、金剛山観光が最大の争点に
【社説】金剛山観光を国の運命と引きかえにはできない
【核開発】韓国政府、金剛山観光支援を中断へ
【核開発】韓米、対北事業めぐりつばぜり合い
【核開発】米議会、対北事業資料収集に乗り出す
アメリカの議会が対北事業の資料収集に乗り出したのは、さすが〜という感じです。日本も韓国や中国の対北朝鮮事業のことをきちんと調べてみてはどうでしょう?それにしても賃金の支払い方法が不透明なのは金剛山観光も同じで、実勢レートでは給料のほとんどが北朝鮮当局に搾取されていることになります。
あと金剛山観光が国の運命と引きかえ云々とは、正直びっくりです。確かに金剛山で働いている人たちはある意味歴史に名を残さんばかりの使命感を持っていて、また金剛山観光に反対する人たちも韓国の現況を憂えているのでしょうが……金剛山観光もすごいことになったものです!
《中央日報》
韓米解決策で衝突…政府、金剛山補助金中断ー米国、対北制裁を要求
金剛山観光…玄会長の苦悩「現代の嫡伝」
統一外交通商委員長「金剛山観光を問題視するのは内政干渉」
中央日報の記事で最も注目すべきは、現代グループの状況を説明した記事でしょう。金剛山観光は現代財閥創始者である鄭周永会長が始め、後継者の鄭夢憲氏は対北朝鮮事業での不透明な巨額の北朝鮮送金事件が引き金となって非業の死を遂げました。このことを考えると鄭夢憲氏の未亡人である玄貞恩氏の苦悩は確かに深いものがあるに違いありません。そして対北朝鮮事業こそが現代グループ正統の証という面もあるので、現代グループそのものに及ぼす影響も無視できないでしょう。
《東亜日報》
「いい友人」金剛山問題で正面衝突、李鍾ソプ長官とヒル次官補
政府、金剛山事業の進め方、一部変更の方針
《連合ニュース》
金剛山観光補助金中断の方針、新規事業も保留に
「南北間事業は継続」政府・与党で方針再確認
金剛山観光や開城工業団地の新規事業を中断するとはいいますが……今の現状では開城工業団地に新規参加する企業はほとんどないでしょうし、内金剛観光に至っては北朝鮮側が実現にどれほどの意欲を見せているか全く不明の事業です。つまり現状では黙っていても進展する見込みがあまりない事業なのです。むしろこのまま金剛山観光が続けられた場合、早晩完成が見込まれる「金剛山ゴルフ場」のオープンが認められるか否かが問題になると思われます。

2006年10月22日(日)
金剛山関連の騒ぎは一段落したみたいです。今なお観光は継続されているし、北朝鮮の態度にも大きな変化が見られないわけですから騒ぎの再燃は充分に考えられますが、少し落ち着いて金剛山情勢を見ることができそうです。
20日以降の記事で要注目はこの記事でしょう。まあ、現状ではこのような運動が発足してもおかしくありませんが、金剛山観光賛成派も結構いるのですから、きっと「みんなで金剛山へ行く国民運動」のような運動も始まると思われます。(と思っていたらやっぱり始まったようですね…笑)。
今日はまず最新の金剛山画像も見れる「オーマイニュース」の記事から。やはり金剛山の紅葉は美しいという点と、なんと言ってもこんな時期、金剛山を訪れたアメリカ人がいるのですね。
中央日報の記事では、あと中国からの北朝鮮観光が中断されているとの記事が要注目でしょう。この記事の信憑性には疑問のあるところもありますが、現状、北朝鮮観光は金剛山観光だけしか残っていないのでしょうか?
《朝鮮日報》
【核開発】駐スイス北朝鮮大使、金剛山観光の継続を要請
核開発】「南から北に送られた現金が核開発に」
【核開発】「対北現金支援は犯罪者に銃弾を与えるのと同じ」
訪朝した与党議長「金剛山・開城事業は核開発と無関係」
朝鮮日報の記事では、これまでいくらであるかよくわからなかった、金剛山で毎日公演している平壌モランボンサーカス団として北朝鮮側に渡った公演料が、これまでの合計が112億4000万ウォンであることがわかりました。金剛山観光の呼び物のひとつである平壌モランボンサーカス団公演は、ワンステージいくらという形で北朝鮮側に渡されていることは知っていましたが、いったいいくら渡されているのかは推定するしかなかったのです。サーカス公演は2000年6月から始まっていたので、一年あたりに直せば18〜19億ウォンという感じでしょうか。おおよそですがサーカス公演料としては年間2億円あまりのお金が北朝鮮に流れている計算になります。のりまきはサーカス公演一回につき5000ドル前後と計算していましたが、大体そんなもののようです。
《連合ニュース》
南北間事業持続にライス長官失望、米メディア報じる
北朝鮮・李大使「金剛山観光、韓国が守ってほしい」
南北鉄道駅舎工事、北朝鮮現場から韓国人撤収
金剛山観光客、北朝鮮側による罰金処分が急増
おっと、忘れていました!金剛山観光で観光客が規定に違反した際に支払う“罰金”も北朝鮮側に渡るのですね。この額、思ったよりも多いです!

2006年10月25日(水)
金剛山観光をめぐる騒ぎは小康状態になったようです。記事も少なくなってきました。ただ北朝鮮問題が片付いたわけでは全くないので、やがて問題として浮上してくるのは避けられないところです。
《朝鮮日報》
「親・盧武鉉」議員など100人、来月金剛山観光へ
開城工業団地の賃金ピンハネ問題…その実態とは
核実験後、皮肉なことに朝鮮日報を中心として対北朝鮮事業の実情を暴露する記事が書かれており興味深いです。北朝鮮のウォンの実勢レートを知っていれば誰でもわかる話(のりまきも以前ブログの方で書きましたが)ですが、ここまではっきり書かれたのは初めてでしょう。
《東亜日報》
対北朝鮮制裁「開城追加分譲の延期ー金剛山補助金の中止」暫定結論
《中央日報》
ハイニックス英国法人、対北朝鮮送金の返金求めて訴訟
「対北朝鮮制裁、韓国が微温的」…米国務長官歴訪を評価
《連合ニュース》
現代商船めぐる経営権紛争、現代エレが事実上勝利
中央日報のハイニックス電子のニュースと、連合ニュースの現代商船の経営権問題についての記事が面白いですね。ともにこんな時期に出てくるのが偶然かな?と考えさせられてしまうニュースです。ハイニックス電子は2000年の対北朝鮮秘密送金事件に際して1億ドルの送金をさせられた件の損害賠償ですから、現代グループにとって良くないニュースです。一方、この春先から問題となっていた現代グループ内きっての有力企業、現代商船の経営権についての争いが現代グループ側の勝利となりそうというのは現代グループにとって良い話です。
韓国は時の政府に癒着した企業が恵まれた地位を享受する伝統が根強く、太陽政策の申し子のような活躍をしてきた現代グループは、金大中政権と盧武鉉政権では当然、良い位置をキープし続けてこれたわけです。今回の現代商船経営権防御も何らかの政治的支援があったのでは?と疑いたくなってきます。まあ、今まだ帰属先が決まっていない現代建設の行き先がどうなるかが次の見ものでしょう。
逆に国際的に見れば、対北朝鮮事業を行っている現代グループに対する風当たりは強まっていくでしょう。いったい現代グループはどうなるのでしょうか?

2006年10月27日(金)
朝鮮日報が取り上げている現代グループなど対北朝鮮事業を行っている企業の現状について紹介している記事が面白いです。
《朝鮮日報》
対北事業関連株が底打ち
【社説】サムスンと現代に降りかかる核問題の火の粉
【核開発】対北送金を主導した現代グループはピンチに
【核開発】米国の報復恐れる韓国財界
これを読むと北朝鮮に取り引きのある企業が、アメリカとの商売が出来なくなることを恐れているようですね。まあわからないでもない懸念ですが、実際、どの範囲まで影響が出るのかわからない話であるような気もします。例えば現代グループは対北朝鮮事業に取り組んでいるのは表向き現代峨山だけかもしれませんが、この記事を見ると北朝鮮に練炭を運んでいるのは現代グループの系列企業、現代宅配です。また金剛山のホテルのコックや温井閣東館のフードコートは、鄭周永の息子の一人が経営している現代百貨店が関わっているといいます。
そんなこんなで挙げていっては、どこまでが北朝鮮と商売していることになるのかがわからなくなってしまいそうです。
《中央日報》
安保理、制裁対象目録の草案…金剛山・開城工業団地は取りあげられず
バーシュボウ大使「韓国政府、開城工業団地を見直すべき」
政府の対北包容政策変わるか
李明博氏「誤った対北経済協力が統一さらに遠ざけた」
最後の記事のシュミット元ドイツ首相の話は面白いですね。北朝鮮のような極めて特殊な国と付き合っていくのには、良いことばかり出来る筈もないし、大きな矛盾を背負わなければならないこともあるでしょう。効果が出るまで長い時間がかかるのは間違いないです。
《連合ニュース》
金剛山・神渓寺の復元が完成、来月19日に落成式
韓国と北朝鮮との共同事業として再建工事が進められてきた神渓寺が、完成したみたいですね。新羅時代に創建され、金剛山四大寺の一つに数えられ、朝鮮戦争で全焼した神渓寺。再建後はどのような歴史を見つめることになるのでしょうか?

2006年10月30日(月)
今日はYAHOOで紹介されたことが影響しているのでしょうか?お客様がとても多いようです。これまで金剛山や金剛山観光については知名度が低く、正直ホームページをやっていてもやきもきしていたこともあったのですが、北朝鮮のミサイル、核開発という負の原因によってであることなのはまことに不本意ですが、これを機会に金剛山観光について関心を持つ方や、何よりも金剛山の美しさに興味を持つ方が増えて下されば嬉しいです。
《朝鮮日報》
「南北協力基金は微妙でまともな監査は不可能だった」
【核開発】金剛山観光の北側責任者は核実験主導者の一人
保守色の強い朝鮮日報は金剛山観光の裏面に関する記事を次々と出してきて面白いです。南北協力基金はまともな監査体制がなかったことは、韓国観光公社が金剛山観光に参画したいきさつなどから明らかだったのですが、まあ今後どのような裏話が飛び出してくるのでしょうか?
ところで次の記事では、金剛山観光の窓口が金剛山観光総会社から、今は名勝地総合開発会社となっている点が驚きました。今年の2月に聞いた話ではまだ金剛山観光総会社でしたので、最近変わったのでしょう。
また、サーカスや金剛山での北朝鮮側が経営する食堂などの売り上げが、これまで1億4000万ドルになるとの推計を出していますが、これはいかがなものでしょう??これって記事の訳のミスで、これまでの金剛山観光客約130万人が、北朝鮮側に100ドルずつ落としていったと仮定しての話でしょう。サーカスの公演などの公演料は先にも紹介したように1ステージいくらの定額制なので、100ドルの中には含まれません。また北朝鮮の食堂はキャパの問題もあって、金剛山観光客全てが利用するわけではなく、値段も木蘭館が一食10ドル、玉流館が15ドル、金剛苑が25ドルあとは飲み物代で、北朝鮮に渡る食事代としては60ドルもかからない可能性が強いです。(だいたい木蘭館・玉流館・金剛苑を全てはしごする観光客は少ないでしょうし、一泊二日や日帰りの観光客はそんなこと自体が物理的に不可能に近いです)。しかも木蘭館・玉流館・金剛苑ともに2003年夏までは全く利用していませんでした。
あとは金剛山土産をどのくらい買うかですが……金剛山のお土産には韓国製品や欧米の高級ブランドなどの免税品などもあります。あの癖の強い酒やタバコなど、北朝鮮製の商品をわざわざ大量購入する客は少ないです。こうして見ていくと、のりまきは一人100ドルの推計はかなりの過大評価と見ます。まあ、どんなに多めに見積もっても半分の50ドルには達しないでしょう。
《中央日報》
ハンナラ党「金剛山観光代金6億ドル、労働党、北朝鮮軍に流入」
中央日報にも同じ記事がありますね〜1億4000万ドルという推計自体は問題ありますが、収益金が人民軍なり労働党なりあるいは金正日本人に“上納”されていることについては疑う余地はありません。確かに金には色はつけられないですから、そのお金がミサイルやら核兵器やら軍備増強に使われている可能性を否定するのはほぼ不可能でしょう。

2006年11月1日(水)
六カ国協議が再開されるようです。昨日いきなり中国・米国・北朝鮮で話し合いの再開が発表されたわけですが、あとの韓国、ロシアそしてわが国日本は、再開に向けての協議がなされていたことをどの程度まで把握し、そしてどのくらい意見を述べたのか……新聞の報道だけではよくわからないのですが、中国・米国・北朝鮮だけで六カ国協議の再開を決定し、あとの三国は事実上結果を聞いただけということのような気がします。
いずれにしても曲がりなりにも話し合いの再開が決まったので、金剛山観光は一息つくでしょう。ただ北朝鮮情勢は本当いきなり急変しますし、核問題もミサイル問題も片付いたわけではないので、金剛山観光の危機はまだまだ続きます。
《朝鮮日報》
駐韓米大使「開城・金剛山事業の継続、再考すべき」
《連合ニュース》
北朝鮮「金剛山観光事業方式に変更あれば措置」

2006年11月6日(月)
金剛山問題はようやく一応の下火となったようです。六カ国協議の結果が見えてくるまで現状維持が続くでしょうが、その後はどうなるか……
《中央日報》
開城工業団地裁縫技術者の月収4万7000ウォン
《朝鮮日報》
北朝鮮、南北赤十字会談を提案…狙いはコメと肥料か
開城工業団地のドル給与、全額が北朝鮮政府に
《東亜日報》
北朝鮮事業の現代峨山、非常経営体制を検討
《連合ニュース》
大韓赤十字社総裁、北朝鮮の会談提案に前向き
ここに来て北朝鮮側がいったん中断させた離散家族再開について持ち出してきたのは、やはり揺さぶり工作の一環と見て良いでしょう。ただ、首をすくめて嵐が過ぎ去るのを待つしかない現代峨山にとってみれば、離散家族再会事業の再開は、面会所の建設再開に通じるわけで、歓迎することでしょう。
それにしても金剛山観光でリストラを行うこと自体は別段不思議と思えませんが、どの宿泊施設と食堂を削るのでしょうか??まあ、温泉場にある温井ビレッジと温井閣西館のバイキングあたりでしょうか?

2006年11月24日(金)
このところ金剛山がらみのニュースは減っています。やはり六カ国協議の開催待ちといったところなのでしょうか?
11月19日は金剛山観光八周年、北朝鮮の核実験問題でやはり観光客の減少は続き、結構厳しいみたいですがゴルフ場も来年には完成し(本当は今年オープン予定であった)、内金剛観光も実現すると言っていますので、まだまだ現代峨山の意気は盛んと言ったところでしょう。ところで内金剛観光はこの記事によると凍結扱いなのでは?本当に韓国政府のやることはよくわかりません。もっとも現代峨山が見切り発車しただけかもしれませんが……
その他、金剛山関係の記事を並べてみます。神渓寺落成式の写真などは建築中の様子を見たので、結構立派に出来たものだと感じます。

《朝鮮日報》
統一部長官が金剛山行きキャンセル…その理由は?
《nkfocus》
南北仏教界、金剛山神渓寺落成式
金剛山観光、2007年春に内金剛観光地域に拡大
韓国のホームページから
《統一ニュース》
金剛山観光8周年、平和と統一の生命線
金剛山観光8周年記念事業
市民団体ら“金剛山観光は平和事業”
金剛山神渓寺落成式
「一万二千名の金剛山守る人」発足式

2006年12月10日(日)
金剛山観光は相変わらず厳しいみたいですね。お客が少ないのでホテル海金剛と金剛山ホテルはお休みしているのですね〜たった50人しか客が来ない状態が続けば、深刻な危機に陥るでしょう。
まあ、それなのにこの金剛山管理委員会とはいったい何でしょう?いつまでも金剛山観光の低迷は続かないかも知れませんが、現状では事務所や宿泊所の新築費用は特に必要ないでしょう。また南北協力基金の不明朗な使われ方について説明した記事、退任予定の統一部の李長官が金剛山を訪れ、現代峨山を始め金剛山で事業を行っている企業の代表や関係者と懇談を行ったことが要注目ですね(中央日報の記事はこちら 連合ニュースもあります)。
あとは金剛山で南北のジャーナリストが討論会を開催したことと、何と言っても「金剛山の春は来る」と題された記事が注目でしょう!現代峨山はまたまた役員の給料と賞与を支給猶予せねばならない状態になっているのですね……本当に春は来るのでしょうか?



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