金剛山日記
(第八巻)



金剛山日記・ホームへ戻る

金剛一万二千峰へ戻る

のりまき・ふとまきホームへ戻る



2007年6月19日(火)
ほぼ半年振りの金剛山日記です。このところ正直、金剛山から離れ気味でしたが、私の周囲で再び金剛山に対する意欲を掻き立てるような出来事が起きはじめたため、日記も再開し、第八巻に突入ということになりました。
まずはここ半年のまとめです。半年前は金剛山観光はどん底状態でした。しかしその後、離散家族再会事業の復活、南北連結鉄道の試運転、そして金剛山観光自体も内金剛観光の開始、10月末には金剛山ゴルフ場のオープン決定など、このところ再び上り調子です。

離散家族関連
離散家族面会場建設あす再開、本格工事は今月末
5月9−14日、金剛山で離散家族再会行事
再会を果たし嗚咽する家族たち
離散家族:11カ月ぶりに再会事業再開
南北連結鉄道試運転関係
線路の補修作業を行う北朝鮮の労働者たち
南北縦断鉄道:17日試運転記念式典=56年ぶりに南北往来
南北縦断鉄道:「お祝い」韓国・「淡々」北朝鮮…対照的な表情
南北縦断鉄道:開通総費用700億円超=韓国統一省
金剛山から猪津まで、同乗記者による乗車手記
南北縦断鉄道:「こんなに近いのに」56年かかった
金剛山観光関連
金剛山観光客数が顕著な回復、情勢変化受け
金剛山にも桜が満開
金剛山の免税店が拡大…酒・衣類・香水も
「ここが内金剛の萬瀑洞渓谷です」
6月から一般人も内金剛観光、現代峨山が合意
内金剛観光に人気集中、ツアーの追加催行も
【写真】姿を現した金剛山ゴルフ場
金剛山のゴルフ場、10月29日にオープンが確定

2007年6月21日(木)
金剛山関係で面白い記事があるので紹介します。ともに金剛山と金剛山観光を直接取り上げたわけではないのですが、興味深い記事です。
<南北関係、この7年でここまで来た>
2000年6月の南北首脳会談から7年、その間の朝鮮半島の南北関係をまとめています。確かに大きく進んだ面もあるのですが、開城、そして金剛山以外に目だって大きな進展がないのも事実です。これからの大きな課題は金剛山、開城から他の地域へどう広げていくか、そして金剛山や開城でもどこまで真に北朝鮮の地元住民に近いところで協力事業を行っていけるかでしょう。
「開城工団管理委、年間収入の約半分が委員長の所得」
現代峨山の金剛山観光担当職員が受け取る、北朝鮮勤務手当は基本給の20〜30パーセントなのですか?私はもっと多いように聞いていますが?それとも北朝鮮勤務手当は20〜30パーセントだが、金剛山では勤務時間が長いうえに月に5日程度の休み以外は連続勤務が続く(その分長期休暇は取りやすいそうだが…)などの勤務体系の関係で給料が多くなるのかもしれませんが。
南北協力基金:韓国政府、昨年627億円支出
結構金剛山関連の出費、多いですね〜道理でどんどんと金剛山の観光関連施設が立派になるわけだ。

2007年10月19日(金)
金剛山関連の興味深いニュースが続いております。
まず、これです。
金剛山で橋が崩壊、韓国人観光客20人が負傷
金剛山、橋崩壊事故:ずさんな管理体制が原因か(上)
金剛山、橋崩壊事故:ずさんな管理体制が原因か(下)
これはですねえ、橋を渡る人を一回5〜10名に規制していたという事実は全くありません。この8月に金剛山へ行った際、たまたま同じ舞竜橋を一度に大勢の人が渡って、ひどく揺れていたのを目にしました。


手ブレの影響で少々ぼけた写真ですが、ご容赦ください(笑)。橋を何人渡っています??20人はいそうですね!おばさんたちは揺れが怖くてしっかり掴まっています。傍で見ていても相当揺れていましたよ。
確かに現代峨山はずさんです。つり橋にこのような危険があること自体、今回の件が起きるまで金剛山観光客は多分誰も知らなかったでしょう。責任を追及されるのは当然です。ただ、元来かなり険しい金剛山に、たくさんの人が訪れること自体にもどこかに無理があるような気がします。日本植民地時代から金剛山観光開発は進められ、確かに特別な山の経験や装備がなくとも楽しめる山になっていますが、例えば戦前は時々滑りやすい花崗岩に足を取られ、金剛山の流れに落ちるといった事故があったそうです。どんなに便利になっても山に行くこと自体は変わらないので、甘く見るのは禁物でしょう。

続いて南北首脳会談で、白頭山観光の推進が決められたようです。これは現代峨山を始めとする現代グループにとって朗報でしょう。北朝鮮にとっても、白頭山は都市である開城の観光推進よりも体制に及ぼすストレスが小さいのかもしれません。確かに解説の通り、観光が実際始まるまでどうなるかわかりませんが…
南北首脳会談:白頭山観光の推進が可能に(上)
南北首脳会談:白頭山観光の推進が可能に(下)

そして最後は離散家族再会関連です。
【社説】拉致問題・捕虜問題を後退させた南北首脳会談
杯を交わす離散家族たち
【写真】50年ぶりに再会した夫婦
【写真】「統一後に会おう」
離散家族再会、来月から生死確認が常時可能に
金剛山では年中行事となっている離散家族再会です。この事業、金剛山観光と同じく様々な問題を抱えながらも続けられています。まあ、南北融和の象徴という大義名分がありますので止められない事業なのでしょう。いよいよ来月には離散家族常設面会場も完成するのですね。


8月に金剛山へ行ったときに撮影した、建設中の離散家族面会場の遠景です。結構大きくかつ立派な建物であることがわかります。離散家族再会の問題とは少し離れますが、こう金剛山に色々な建物やら観光施設が出来ていくのはどうなのかな〜という気がしてきました。皆、現代グループの手によって建設が進められているという点が気になります。金剛山という景勝地が今後長い間現代グループに独占されてしまうのでは……という懸念を抱かざるを得ないのです。

2007年10月21日(日)
南北首脳会談の結果、現在金剛山観光を始めとする韓国の対北朝鮮事業は上り調子です。しかし油断は禁物、わずか1年前は核実験問題で大きな危機に見舞われていたことを忘れてはいけません。対北朝鮮事業は「良いと思っても喜ばず、悪くなったとしても悲観せず」という態度で進めるしかない事業です。

玄会長就任から4年…北朝鮮関連事業に弾みつく
この記事のように、現代グループは今、調子良さそうですね〜亡き夫、鄭夢憲氏よりも玄貞恩氏の方が企業経営者として向いていると言う面も大きいと思いますが、何と言っても現在、韓国と北朝鮮の関係が良いのが一番大きいでしょう。もっともまもなく大統領選挙もありますし、肝心の北朝鮮情勢は次どう動くかわかりません。

南北交流、この7年の表と裏
南北観光、北の外貨稼ぎではない‘改革・開放’を誘導せねば
金剛山観光を始めとする対北朝鮮事業の問題について取り上げた記事です。まあ、よく言われているような内容ですが、ではどうすれば…となると難しいものです。
一方、北朝鮮の立場になってみると、極度の経済難のために南北交流は受け入れていかざるを得ないが、韓国側との距離が縮まってしまうことは体制の崩壊に繋がりかねないと思っているに違いありません。北朝鮮は北朝鮮で、経済難克服と体制維持を計りにかけた危ない橋を渡っているといえます。相手側の事情はもっと厳しいのです。今のところ、南北交流の真の成果と言えるものが見えないことは事実ですが、ここは焦りは禁物だと思います。

朝鮮戦争時に焼失した金剛山「神渓寺」、南北が共同で復元
このようなニュースも入ってきました。この記事に出てくるチェジョン氏は、確か会ったことがある人物です。復活神渓寺の初代住職になりそうですね〜


あんまりいい写真ではありませんが…昨年8月の神渓寺の本殿はこんな感じでした。今年の8月に金剛山へ行った際は、神渓寺には残念ながら寄りませんでした。

2007年11月4日(日)
色々揉めましたが、結局開城観光は現代グループが行うことで決定したようで、12月から開始の予定だそうです。一時期ロッテ観光が権利獲得に動き、最近までそんな話がちらほらあったようですが、現代グループは金剛山観光と同じ「排他的事業権」を開城、そして白頭山も獲得したようです。
現代グループの玄貞恩会長が金正日国防委員長とも面会した上で確認した内容なので、ひっくりかえる可能性は少ないと思いますが、開城観光でもめ続けてきた観光料の件で対立が続く可能性は高いです。実際の観光開始は報道よりもかなり遅れる可能性が高いです。
白頭山直行便、来年5月に実現
金剛山に関しては最高峰の毘盧峰の観光開始が決められたようです。何だかんだ言っていても、北朝鮮は現代グループの要求を前に後退を余儀なくされている面もあるのです。とにかく本当にお金がないのでしょう。
それにしても金剛山も開城も白頭山も50年間も現代グループに「排他的事業権」を与えられてしまい、こんな独占を許してしまって良いのだろうか?という疑問が浮かんできます。

2007年11月5日(月)
週が変わって、朝鮮日報に今回の開城観光、白頭山観光の記事がたくさんアップされました。
白頭山への直行便、来年5月開設へ
白頭山観光:北朝鮮、現代一家への愛情変わらず
白頭山観光:北の外貨稼ぎ…現金OK、市場経済はNO
白頭山観光:航空便や観光コースに関心(上)
白頭山観光:航空便や観光コースに関心(下)
さすがに詳しいですね〜それにしてもいくら白頭山だからといって、観光料金が100万ウォン〜150万ウォンという高額ではあまり観光客が集まらないような気もします。北朝鮮が観光を認めた背景は、「お金は欲しい!でも開放はいやだ!」という本音があるというのもその通りでしょう。ただこんな調子で、ピョンヤンや妙香山など他の北朝鮮国内の観光名所が解放されていけば、そんな都合の良いことばかり言っていられなくなるのではないでしょうか。だいたい北朝鮮国内では大きな都市の一つである開城の観光が本格化すれば、基本的に田舎である金剛山や白頭山とは違った問題が出てこないとも限りません。
東亜日報にも記事がありました。
白頭山直行便、来年5月に実現