のりまき観察日記特別編 金剛山陸路観光編
金剛山コンドミニアム地下の受付入り口
5、わくわくどきどき金剛山陸路観光@(2004.3.2記)
12月2日(火)
いよいよ金剛山陸路観光への出発の日。
天気は晴れ。
のりまきは昨日発見した枕木とレールの後、気持ちが高ぶっている。
ふとまきは・・・・・・。更に下痢。調子悪し。しかし、この日、この調子の悪さはオンドルによって血液循環が促進されすぎて、体中が痛いのではないかと思うに至る。
きっとそうだ。
とりあえず、集合場所までもバスで1時間以上かかるようだし、途中でトイレに行きたくないので朝食は食べないことにする。
金剛山陸路観光から戻った日もここで泊まる事になっているので不要な荷物は置いた。
バス停へ。
バスがすぐ来た。大慌てで乗り込むのりふと。金額をのりまきが聞くが聞き取れないらしく慌てている。
「確か、おつりが出てくるんだから多めに入れちゃえば良いじゃん。」
と言うが、それすらも慌てている。それでもなんとか乗り込んで後部座席に座った。
終点までなので一寝入り。と行きたかったが、韓国のバスの運転はなかなか手荒い。カーブと共に体がかなり揺れたりするのでなかなか安心して眠るという感じではないが、うとうとしながら終点へ。
せっかちのりふと、随分早く到着。
「これが金剛山陸路の出発地です。」
とはしゃぎ、いろいろ記念撮影するのりまき。ふとまきは無事にここまできたことと、空腹感で朝 食べなかったパンを外のベンチで食べる。
その間ものりまきは落ち着きなくうろうろしている。
「海の方に降りてみます」と言って
「ダメでした。鍵がかかっていて降りれませんでした。」
と戻ってきたり・・・。
それでも時間があったのでコーヒーでも飲もうとコンドミニアムの1階の喫茶室に入り、コーヒーを飲むが、その間も
「ちょっとトイレに」
「ちょっと外見てきます」
「受付はどうなってるのか、見てきます」
と何度も席を立つのりまき。
ふとまきの想像では、現代のバスがここに来て、統一展望台に一時停止するも、そのまま金剛山に向かえるのかと思っていた。
しかし、大型のバスでツアーでソウルから来ている人たちは受付らしきものが済むとそのまま乗ってきたバスに乗り込んでいる。しかもその中の何台かは出発もしてしまう。
どういうこと?のりまきに聞くが良くわからない。こんな時言葉を勉強していればよかったと思う。
個人申込者が使えるというリムジンバスの時間ははまだまだ先だった。
私たちは、と言ってものりまきは、統一展望台からの風景も見たいし、写真も撮りたいと思っていたので、ツアーで来た人がもう統一展望台に向かえるなら、自分たちもさっさと受付を済ませて先に統一展望台に向かい、ゆっくり写真を撮りたいと考えた。
「ねぇ、ツアーの人はもう展望台に向かっているんでしょ?私たちも何らかの方法でリムジンより先に行けないのかな〜?」
と聞くふとまき。
「タクシーとかバスで行けないのかな?ここで時間つぶすより展望台で時間つぶす方が良いじゃん。」
「じゃあ、バスの時間見てきますね。」
とまた席を立ち見に行くのりまき。結局都合の良い時間はなかった。
「タクシーもいませんでした。」
受付を済ませ、ゆっくりまたコーヒーでも飲めばいいものを、もう人の出入りも多くなるとそわそわしてしまうのりふと。
外に出よう、と外に出てうろうろきょろきょろするのりふと。
「本当にその時間まで待ってていいんですか〜?」
とふとまきが聞くとたちまち表情が変わり、不安げに落ち着かなくなるのりまき。
タクシーが停まっていたのでそれに乗ろうと運転席を見ると運転手がいなかった。
そんな風に思っているときに空港から統一展望台に向かう高速バスがコンドミニアムで停まっている。
「統一展望台」
とのりまきが言うと
「乗れ」
と合図するので乗り込む。しかし、乗り込んでから金剛山陸路観光に行くんだと伝えると、運転手はのりまきに向かって何やら言い途中でバスをUターンさせる。ひぇ〜戻されちゃうんだ〜。あっと言う間にコンドミニアムに逆戻りである。
個人行動は許されないのである?同じく個人で来ていたと思われるご夫婦がバスに乗り込む私たちを『え?乗れるの?』といったような目で見ていたが、あっと言う間に逆戻りとなった私たちを見るなり笑っていた。ちなみに、バスの運転手は私達が金剛山陸路観光へ行くことがわかるとむっとしたが、バスを降りるときに料金を支払おうと思ったらいらないと料金箱は手で押さえていた。
結局またバスを待ち、来たリムジンバスというのがすでに客も乗せている普通の路線バスであったが、本数が少ない為すし詰め状態で載せられ、大きな荷物を抱えた金剛山陸路への乗客を統一展望台へ運んでいった。途中は外の景色なども見られない状態で、おまけに運転は手荒なのでつかまる手すりを持つ手が辛かった。
統一展望台へ到着。
あたりを見回すと展望台へ上がっている人は殆どいない。
しかし、のりまきは絶対写真を撮りたかった。
「のりまき、ここで荷物の番をしていますから行ってきていいですよ。」
と言うと
「僕1人で行かせるんですか?ふとまきは鉄道工事が始まった風景を見たくないんですか?」
と言ってくる。
「でも行っている人がいないじゃん。時間あるの?」
「ないから走っていくんです!」
え〜?この荷物持って走るわけ?
「走るのやだよ。誰かに登ってきていいのか、何時に戻ればいいのか聞いてから行こうよ。」
と躊躇している間に小走りに展望台に向かうのりまき。すると何人かは陸路に行くであろう人が降りてくる。しかし、ここでの展望の時間も観光の一部なのかと思っていたが、そうではないようであった。しかし、登ることは構わないようだった。
のりまきの後を遅れて登るふとまき。上につくとのりまきの姿が無い。のりまきを探して風景を見られないというのももったいなかったので、のりまき探しは後にして風景をまず見るふとまき。すると
「ふとまき〜!!」
と心配半分、怒り半分ののりまきの声が。
「は〜い。ここにいますよ」
と言うと
「何のん気に見てるんですか。」
と言うではないか。
「写真撮ったの?」
と聞くと
「撮りました」
と返ってくる。
「じゃあ、降りましょう。」
降りようと陸路観光の出発のゲートを除くと客はまだ中に入れずに並んでいる。まだ大丈夫。
結局、下に下りても時間が十分にあった。
「聞いてからいけばもっとゆっくり出来たじゃん。」
と言うが
「写真が撮れたんでそれで良しとします。」
と答えにならない返事がある。
後の話になるが、大慌てをして撮った展望台の写真の写りはいまいちのようであった。人間慌てるとろくなことがないのである。
いよいよ出発。
その後の北朝鮮入国事務所までの旅はのりまきを観察するどころか、風景や金網、警備する軍隊、北朝鮮側に入っては、道路や鉄道?の工事、作業をしている人に釘付けでのりまきどころではないのであった。
続く
のりまき観察日記2004年Aへ のりふとホームへ