金剛山観光の経緯について
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から見て



我ながら難しいテーマだと思います。
多くの日本人が北朝鮮に対して抱いているイメージは、はっきりいって最悪です。
正直私も、昨今の北朝鮮の言動には不信感を持っています。
しかし、金剛山観光のホームページを作っている以上、
一方の当事者たる北朝鮮側の視点を無視してはならないと思います。
北朝鮮・そして親北朝鮮メディアの報道する金剛山観光に対する視点が
どこまで建て前なしの真意であるか、よくわからない点も多いのですが、
ここに金剛山観光に対する北朝鮮側の報道を集めてみました。


1998年9月1日:朝鮮アジア太平洋平和委員会、金剛山観光事業に関連して談話

 朝鮮アジア太平洋平和委員会スポークスマンは1日、民間級経済協力事業として推進している金剛山観光事業と関連して談話を発表し、次のように指摘した。
 船による金剛山組織観光はわれわれと南朝鮮の現代グループ間で合意を見て、民間級経済協力事業として推進している問題である。
 しかし南朝鮮の国務総理金鍾泌は、われわれに観光費を年間1億ドル以下に下げて定めなければならないとか、それも軍需工業に使われてはならないと騒いでいる。
 統一部長官康仁徳は、観光客の身辺安全を口実に当局間会談に固執しながら、1人当たりの観光費用を300ドル以下に定めるよう現代グループを強迫している。
 南朝鮮当局者は、われわれが現代と推進している金剛山組織観光事業に口出しするいかなる名分もない。 われわれは、南朝鮮人民の願いを考慮し、そして金剛山観光を通じて民族の和解と団結を成し遂げる目的から、現代グループとこの事業を推進している。
 金剛山観光事業が北と南の民間級協力事業として推進されているだけに、その当事者間で合意を見ればよいのであって、そのお金をどこに使おうと、わが方の地域に入ってくる観光客に対する安全をどのように保障するかというのは、われわれがする問題だ。
(元記事・朝鮮通信…朝鮮新報1998・9・4の記事より)


1998年9月19日:朝鮮中央通信、「金剛山観光事業の白紙化」策動を非難

 19日発朝鮮中央通信は論評で、目前に迫った金剛山観光を阻もうとする不純勢力の策動について、次のように非難した。
 南朝鮮のハンナラ党と自民連の一部「国会議員」は16日、ソウル市内の公園で「金剛山観光中断要求決議大会」なるものを開き、「金剛山観光事業の白紙化」を主張した。 
 金剛山観光事業は、わが国の5大名山の一つである金剛山を探勝し、民族の情緒を享有したいという、南の人民の念願を何とか実現させようという一念から始まったもので、民族の積極的な支持と賛同のもとに推進されている。近いうちに、南では初の金剛山観光遊覧船が出港する。
 まさしくこのような時期に、ハンナラ党と自民連の者たちは「白紙化」を訴え、「安保に致命的な影響を与える」などと、とんでもない論拠を掲げている。
 ハンナラ党とは、金泳三の私設政党として、類例を見ない悪政で南を外勢の信託統治に陥れた政党であり、自民連もまた、すでに終末を迎えた維新政党の極右反共集団の集まりだ。このような私設政党を残しておいては、民族の和解と団結はもちろん、国の平和と平和統一を実現できない。
 人民の願いを踏みにじり、時代の流れに逆行する者たちに与えられるのは、歴史と人民の厳しい審判にほかならない。ハンナラ党と自民連はこれをよく知り、軽挙妄動すべきではない。
(元記事・朝鮮通信…朝鮮新報1998・9・22の記事より)


1998年10月7日:金剛山観光事業、遅らせたのは南当局;祖国平和統一委員会が声明

 祖国平和統一委員会(祖統委)スポークスマンは7日、9月25日に開始が予定されていた金剛山観光事業が遅れている責任を共和国側に転嫁させようとする南朝鮮当局を非難する声明を発表した。
 声明は、南の統一部交流協力局長が、観光事業の遅れは北が「追加費用を要求」するなど「不透明な態度」を取っていることに起因するとして、観光事業への「北の意志を確認する必要がある」などと語ったことに触れ、「これこそ事実をわい曲し世論を誤った方向に導くもの」だと主張した。
 そして、言葉では民間級交流・協力を奨励しながらそれを遮断している張本人は南朝鮮当局だと指摘。最近だけでも8・15統一大祝典参加のための愛国人士の訪北を妨害しただけでなく、林秀卿さんの訪北、平壌での開天節行事に参加しようとした南の宗教人の訪北を遮断し、訪北して戻った中央日報社長に圧力を加えているなどと具体例を上げた。
 これと同じように、総理、統一部長官らが「観光費の1億ドル制限」「当局者接触」「離散家族面会所の設置」などをうんぬんして金剛山観光事業への介入を企図し、この事業を遅延させていると非難、「このような者たちが統一部局長を前面に押し出し観光事業遅延の責任を北側に転嫁させようと策動している」と述べた。
(朝鮮新報1998・10・13の記事より)


1998年11月:金正日国防委員長、訪北の鄭周永名誉会長一行と会見

 共和国国防委員会の金正日委員長は10月30日、訪北中の南朝鮮・現代グループの鄭周永名誉会長とその家族一行と会見した。一行は27日に板門店経由で訪北し、31日に板門店を通って帰還した。鄭名誉会長はこの間、最高人民会議常任委員会の金永南委員長(28日)、朝鮮アジア太平洋平和委員会の金容淳委員長(27日)とそれぞれ会見。29日には金日成競技場で5万人出演のマスゲーム「栄光輝く金日成朝鮮」を観覧した。
 金正日委員長は、鄭名誉会長と家族一行の平壌訪問を歓迎し、温かい雰囲気の中で談話を交わした。
 鄭名誉会長と家族一行は席上、金正日委員長が会見してくれたことに感謝の意を示した。
 金正日委員長は、鄭名誉会長一行と共に記念写真を撮った。会見には朝鮮アジア太平洋平和委員会の金容淳委員長と宋浩京副委員長が同席した。
 一方、28日には平壌の万寿台議事堂で、最高人民会議常任委員会の金永南委員長が就任後初めて、訪北人士の鄭名誉会長一行と会見し、同胞愛あふれる温かい雰囲気の中で談話を交わした。
 金永南委員長は席上、国の統一と民族大団結の理念のもと、南北間に民間レベルで様々な分野にわたって協力を実現することは立派なことであると述べた。
 また、金剛山観光事業は、世界の名山である金剛山の見学を希望している南朝鮮人民の願いを察し、熱い同胞愛の情から出発したものであると強調し、それが単なる観光に止まらず、民族の和解と団結、祖国統一に貢献する聖なる事業になるよう望むと述べた。
 そして、共和国政府は、朝鮮アジア太平洋平和委員会と南朝鮮・現代グループ間に民間レベルによる金剛山観光事業と各分野の経済協力事業が成功するよう深い関心を払うと述べた。
 鄭名誉会長と鄭夢憲会長は席上、金永南委員長が会見してくれたことに謝意を表し、金剛山観光をはじめ南北間の各分野で民間レベルでの協力を立派に行って、祖国統一を早める大きな一歩にする意思を表明した。
 一行は29日、金日成競技場で、平壌市内の青少年学生5万人が出演するマスゲーム「栄光輝く金日成朝鮮」を観覧、金容淳委員長と宋浩京副委員長、民族経済協力連合会の鄭雲業会長ら関係部門の活動家が共に観覧した。競技場は、民族大団結の崇高な理念のもと、南北民間レベルで協力を遂げようとして平壌を訪れた鄭名誉会長一行と共に、マスゲームを観覧する勤労者であふれた。
 これに先立ち28日、一行は東平壌劇場での音楽舞踊総合公演を観覧。また、一部メンバーは30日、平壌市内にある檀君陵と中央動物園を参観した。
(元記事・朝鮮通信…朝鮮新報1998・11・6の記事より)


1998年11月16日:朝鮮祖国平和統一委員会スポークスマン、金剛山観光事業開始についての声明

 今回、南北間の民間レベルで金剛山観光事業が実現されることは、民族の名山、金剛山の参観を希望する南側同胞に対する北側の深い同胞愛と雅量によるものだ。
 われわれは、半世紀以上の民族分断史で初めて実現される金剛山観光が、民族の和解と団結、民族的大団結を実現し、祖国統一の促進に寄与するものとの期待を表明する。
 とくに金剛山観光を本来の趣旨に基づきスムーズに進めるには、良い雰囲気作りが必要である。
 北と南の不信と対決が激化していては、南朝鮮同胞の金剛山観光がスムーズに進まない。これは今までの南北関係史が示す教訓でもある。
 南朝鮮当局者は、全民族の関心と期待を浴びながら、ようやく第一歩を踏み出す金剛山観光に影を落としたり、この事業を危うくする挑発的な北侵戦争演習や、反北対決策動を止めなければならない。
 われわれはこの機会に、南朝鮮のすべての観光客が金剛山観光の道を開いた共和国側の同胞愛と雅量に心からの民族愛で応え、民族の誇りである金剛山を愛し、共に民族的財産を後世に残すように努力するものとの期待を表明する。
(元記事・朝鮮通信…朝鮮新報1998・11・20の記事より)


1999年3月3日:金剛山観光費用の『軍事費転用』を否定

 南朝鮮の千容宅・国防部長官が最近の「国会」で、「北に支払われる金剛山観光費用が軍事費に転用される可能性を排除できない」。と発言し、康仁徳・統一部長官も、統一外交通商委員会で同様の発言をした。
 これらの発言は、朝鮮アジア太平洋平和委員会が鄭周永・現代グループ名誉会長の発議を重んじて講じた同胞愛的な措置に基づき、現在進められている金剛山観光事業を何としてでも遮断しようとする政治的企図を露にしたものだ。
 われわれは、これを通じて金剛山観光開発が継続できるか、あるいは中断してしまうのかという憂慮を抱かざるを得ない。われわれが金剛山観光事業を進める措置を講じたのは、商業目的ではなく、この事業を通じて北と南が互いに信頼し、団結、協力するという祖国統一のための民族大団結を実現するためだ。南当局者がこれに「金銭措置」のレッテルを貼り「軍事費転用」と捏造するのは許されないことだ。
 こうした事実は、南朝鮮当局者が機会あるごとに主張している「政経分離」「交流」「協力」なるものが、本心でがなく、反北の対決政策を覆い隠すためのものにすぎないことを物語っている・
(元記事・朝鮮中央通信…朝鮮新報1999・3・9の記事より)


1999年6月20日:金剛山観光を不純目的に利用するな

朝鮮アジア太平洋平和委員会スポークスマンは、ミン・ヨンミという正体不明の南朝鮮女性が金剛山地帯に観光客として入り、金剛山で通常の環境巡察勤務についていた共和国人民を誘惑する言動を働いたことに関連して、談話を発表した。

 ミン・ヨンミは20日、共和国の環境巡察員に「山を上り下りすると疲れるでしょう」。などと言いながら、「以南で帰順した人々は、今、良い暮らしをしている」。さらには「以南に行けば幸せに暮らせる」。と本音をあらわした。
 これは観光とは何の関係もない、われわれに対する挑発である。
同胞愛で推進している金剛山観光事業を何とか妨害しようと、訓練された「帰順工作員」まで派遣し、共和国人民に対する不純な誘惑まで行っている南朝鮮当局の犯罪行為に怒りを禁じえない。
 昨日は西海で共和国艦艇に銃射撃を加え、今日は南の同胞の金剛山観光の道まで遮断しようとする南当局の行為は、何をもっても合理化できない。
 南当局は、金剛山観光事業を不純な目的で利用しようとする策動から生じる結果について深く考え、今回の事件に対する責任を取り謝罪すべきだ。
(元記事・朝鮮通信…朝鮮新報1999・6・25の記事より)


1999年6月25日:「帰順工作」謝罪したため釈放

朝鮮アジア太平洋平和委員会スポークスマン談話

 わが方の当該機関の調査によると、ミン・ヨンミは金剛山観光を利用して「帰順工作」を試みたことを認めて謝罪した。彼女の犯罪行為は当然、共和国の法に従って処理されるべきものだが、1日も早く金剛山を訪れたいという南の同胞の気持ちと、現代グループとの関係を考慮して、彼女を送り返すことにした。同胞愛的処置によって彼女が帰ることになったのには、現代側の積極的な努力もある。
われわれは、金剛山を訪れる南の観光客は同胞愛的立場から歓迎するが、今回のように南当局の謀略で来る者は許さない。南当局は、金剛山観光を反北謀略に利用する不純な政治的企図を棄てるべきだ。
南当局はミン・ヨンミ事件を機に不純な言動を繰り返し、「誘導尋問による計算された挑発」とまで言っているが、このようなことをしても得るものはないことを知るべきだ。
(元記事・朝鮮通信…朝鮮新報1999・6・25の記事より)


1999年7月3日:ミン・ヨンミ事件で「謝罪文強制」を否定

 周知のように、南当局はミン・ヨンミを金剛山観光客に仕立てて送り込み、北の人々を南に誘拐しようとした。事の重大さから見ても、彼女は当然、北の法に従って処理されるべきだったが、共和国政府は彼女を送り返す雅量ある措置を講じた。
 しかし南当局は、北が彼女を脅して謝罪文を書かせたとか、今後は観光客の安全保障が必要だと言いがかりをつけ、再び反北の謀略宣伝を繰り広げている。これはわれわれに対する二重の犯罪行為になる。
 われわれは同胞愛的な立場から、彼女を高級ホテルに泊め、待遇も良くした。これに感動した彼女は、自らの政治的な過ちをすべて認め、許しを求めた。
 われわれは今後も不純な目的や意図がなく、真に金剛山を見たいという同胞観光客はいつでも同胞愛的心情で歓迎するだろう。
(元記事・朝鮮中央通信…朝鮮新報1999・7・9の記事より)


1999年7月12日:
金剛山観光客の身辺安全保障は実証済み;朝鮮中央通信

 12日発朝鮮中央通信は、朝鮮アジア太平洋平和委員会と現代グループとの間で進められてきた金剛山観光事業が中断していることについて論評し、次のように指摘した。
 われわれは民族大団結の原則から、祖国統一を願い、金剛山を訪れたいという南の人々の心情を考慮し、また鄭周永・現代名誉会長の提案に理解を示して、金剛山観光の道を開き、同胞観光客のために誠意を尽くしてきた。われわれの努力を現代側も認めており、観光した多くの同胞が謝意を表していることが、それを証明している。
 しかし南当局は、民間レベルの観光事業に割り込み、観光を無条件で中止すべきとか、観光施設の時限付利用保証書がなければ観光を続けられないなどと言い出した。事業が予想外の活況を呈すると、今度は閔泳美を送り込んで犯罪行為を働かせ、観光を全面遮断に追い込もうとしている。
 とくに見過ごせないのは、統一部と「国家情報院」を通じて「旅行者保護慣例」や「身辺安全の侵害」をうんぬんし、「国務総理」までが、身辺安全保障がなければ観光を再開できないと述べたことだ。
 身辺安全保障措置は観光が始まる前からすでに講じられており、その実効力は、この間に訪れた8万余人の観光客が安全に観光し、全員無事に帰っている事実で確証済みだ。6ヵ月間のモデル観光を成功裏に終え、観光客の身辺安全をより重視する立場から、現代側と「金剛山観光事業調整委員会」のような協議機関を設ける構想もあった。
 また閔泳美も、南の同胞の心情と現代側の積極的な努力を考慮し、拘置所ではなく高級ホテルに泊め、寛容に対応して帰宅させた。
 今後も純粋に観光目的で来る同胞については、何の不便もないようあらゆる安全措置を講じ、同胞愛的心情で歓迎する。
 民間レベルの事業を口では歓迎するとしながら、裏でわれわれを中傷し、金剛山観光の道すら遮断する行為は正当化できない。南当局は、観光の中断期間が延びれば延びるほど、民族の非難を免れないことを知るべきだ。
(元記事・朝鮮通信…朝鮮新報1999・7・16の記事より)


2000年10月1日:金正日総書記、金剛山観光地区を視察

 金正日総書記は9月30日、南朝鮮現代グループ・現代峨山が開発している金剛山観光地区を視察した。
 朝鮮アジア太平洋平和委員会の金容淳委員長、朝鮮労働党中央委員会の朴松奉第一副部長、朝鮮アジア太平洋平和委員会の宋浩京副委員長、朝鮮人民軍の玄哲海、朴在京の両大将が同行した。
 金正日総書記を現地で現代峨山理事会の鄭夢憲議長一行が迎えた。
 総書記は、鄭夢憲議長の案内を受け、現代峨山が建設した高城港埠頭、ホテル、観光センターをはじめ多くの場所を見て回った。
 総書記は、現代峨山が金剛山観光をはじめ経済協力のためにこれまで多くの仕事をし、経済協力関係を一段階高いレベルに発展させる活動を力強く進め、北南共同宣言の履行に積極的に貢献していることに満足の意を表するとともに、彼らの誠実な努力を称えた。
 鄭夢憲議長は、金正日将軍が多忙ななか、自ら活動現場を訪ねて鼓舞、激励し、北と南の和解と協力を推進するために貴重な言葉をのべたことに深い謝意を表した。金正日総書記は、金剛山地区を視察した後、鄭夢憲議長一行のために昼食会を催し、記念写真を撮った。
 昼食会は、同胞愛があふれる、うちとけた雰囲気のなかで行われた。
(元記事・朝鮮中央通信…月刊論調2000・9の記事より)


2001年5月1日:北南労働者のメーデー統一大会

 朝鮮中央通信によると、6.15北南共同宣言の旗じるしのもと国の自主的統一を実現するための北南労働者のメーデー統一大会が1日、朝鮮の名山、金剛山で催された。
 大会には、李進守副委員長を団長とする朝鮮職業総同盟代表団、権元杓常任副委員長を所長とする「韓国労働組合総連盟」代表団、女性委員会のチョン・インスク委員長を団長代行とする南朝鮮の民主労働組合総連盟代表朗、関係部門の活動家が同席した。
 また、南朝鮮の農民会総連盟の代表らが招かれた。
 大会では、民族和解協議会、祖国統一汎民族連合(汎民達)在日朝鮮人本部、汎民連共同事務局、汎民連北側本部、祖国統一汎民族青年学生連合(汎青学達)北側本部、朝鮮農業勤労者同盟など北と海外の各団体から、同大会あてに寄せられた祝電と汎民達南側本部からの声明が紹介され、祝賀演説が行われた。
 李進守副委員長は、北と南の労働者が6.15北南共同宣言の旗じるしのもとに団結して外部勢力の侵略と干渉策動を断固と粉砕し、統一の扉を先頭で開いていくことを強調した。
 権元杓常任副委員長は、南北の労動者が6.15共同宣言にしたがっていかなる分裂的干渉をも排し、固く連帯して祖国統一を遂げるため力強く進むことについて指摘した。
 チョン・インスク委員長は、6.15南北共同宣言を支持、貫徹し、民族共同の要求を実現するため南北労働者の力と知恵を結集することについてのべた。
 続いて演説が交わされた。
 大会では、多彩な体育・文化行事も行われた。
(元記事・朝鮮通信…月刊論調2001・5の記事より)


2001年5月16日:米国は金剛山観光事業を妨害するな

 金剛山観光事業は、民族の名山である金剛山を一度でも見たいという南朝鮮人民の願いをかなえてやり、民族の和解と団結、民族大団結、ひいては祖国統一に寄与しようとする崇高な同胞愛の理念と統一念願から出発して1998年11月から始められた。
 ところが、北南関係が良好に発展するのを好まず、朝鮮の統一を快く思わない米国は、金剛山観光事業を最初から各面にわたって妨害した。
 米国は、北南間の関係が隔絶していた時期、民間級協力事業として始められた金剛山観光事業を破たんさせるために最初から観光代価に「軍事費転用」というレッテルをはりつけてこの事業に直接干渉し、各面から妨害策動を弄してきた。
 現代グループとの金剛山観光事業が始まったばかりの1998年12月28日、日本の「読売新聞」は同月初旬、南朝鮮を訪問した米国の対朝鮮政策調整官のペリーが、金剛山観光に関してわれわれに巨額の資金が送金されると軍事費転用になりかねないと憂慮を表し、それによって南朝鮮当局がわれわれに現代グループが送金できないようブレーキをかけた状態だと報じた。
 日本の「産経新聞」(2001年2月2日)は、「現代グループの資金援助の軍事転用への懸念はクリントン前政権時代から政府、軍の両方で提起され、昨年11月には在韓米軍司令部が現代グループ代表と会見し、この援助に対する抗議の意を伝えた」と報じ、米軍事当局が南朝鮮で観光対価を支払わないよう実力行使まで行ったことを示唆している。
 南朝鮮占領米軍司令官シュワルツは2001年3月27日、米議会上院で「北朝鮮の脅威が昨年よりもっと深刻さを増している。北朝鮮が強度の軍事訓練と兵器購買を行っている」と証言して「北朝鮮脅威」論を浮き彫りにし、「兵器購買」という表現を通じて現代グループの観光対価が軍事費転用になることを巧妙に示唆しようとした。(南朝鮮の「京郷新聞」2001年3月29日付)
 米議会調査局アジア専門担当研究員のニックシーは2001年1月4日「今、軍部を含むワシントン朝野は、現代グループが北に現金で支払った観光事業費を北が軍事費目的に転用したのではないかと大いに憂慮している。ブッシュ政権はこのような取引に批判的に出るだろう」と指摘した(米国の自由アジア放送2001年1月4日)
 諸般の事実は、北と南の和解と協力、統一を望まない米国が金剛山観光事業を当初から不満に思ったあげく、人の頼まぬ経を読んでいちいち干渉し、妨害策動を弄していることを示している。
 金剛山観光事業が中断したり破たんする場合、これを妨害した米国とその追従者は全的な責任を負うべきである。
 米国は朝鮮民族同士で行う金剛山観光事業をこれ以上妨害してはならない。
(元記事・朝鮮中央通信…月刊論調2001・5の記事より)


2001年10月12日:北南間の対話に関する祖国平和統一委員会談話

祖国平和統一委員会スポークスマンが12日、北南間の対話・協議と関連して発表した談話は全文次のとおり。

 9月に北南閣僚級会談を再開して以降、北南間では10月だけでも第6回閣僚級会談と経済協力推進委員会第2回会議、金剛山観光活性化のための第2回当局会談を開くことになっている。また第4回離散家族・親戚訪問団交換とテコンド師範団ソウル訪問日も近づいている。このような対話と往来は、北南間の民族的和解と団結の機運をいっそう高め、全般的な北南関係をいっそう進展させていくだろう。
 しかし南朝鮮では、外部で起こっていることに乗じて全軍と警察に「非常警戒態勢」が下り、予測できない厳しい雰囲気がもたらされている。南朝鮮では、「国家安全保障会議」や「非常事務局会議」などを通じて「鉄のような安保体制」を力説しているかと思えば軍部勢力はわが軍隊の「動向について対策を論議」し、軍の対備態勢、出動態勢をいっそう強化することを公言している。
 中断されていた当局間対話が再開し、北南関係が良好に発展している時にわが方を挑発し緊張と対決のムードを高めるのは、民族同士力を合わせていくという6.15北南共同宣言の精神に反し、対話相手であるわが方をひどく刺激する危険な行為となる。
 殺伐とした警戒態勢下の雰囲気の中で対話と往来がスムーズに行われることはなく、何らかの偶発的な事態が発生しないという保証もない。
 対空砲が空を狙い、ともすればミサイルが発射されかねない「非常警戒態勢」が取られている地域を多くの民間人が飛行機に乗って行き交うのは危険千万なことであり、こうした中で自由な家族、親族の出会いやテコンド師範団の出演がうまくいかないのは明らかだ。
 わが方の当事者も、現情勢下で南朝鮮に心置きなく行くのは困難だと言っている。
 わが方は、南朝鮮にもたらされた事態を考慮し、第4回離散家族・親戚訪問団交換とわが方テコンド師範団のソウル派遣を、仕方なく当分の間延期せざるを得なくなった。
 われわれはこれについて深い遺憾の意を示すものである。
 北南間で対話と協議を発展させていこうというわれわれの意志は確固としたものであり、一貫している。
 こうした立場からわが方は、10月中に予定している第6回北南閣僚級会談と北南経済協力推進委員会第2回会議、金剛山観光活性化のための第2回北南当局者会談は予定の日にちどおりそのまま行うつもりである。
 これらの会談の開催場所は、われわれがすでに提案したことがあり安全性が保障されている金剛山地域とするのが合理的だとみなす。
 同時にわれわれは、南朝鮮で非常警戒措置が速やかに解除されていい雰囲気が作られ、離散家族・親戚訪問団とテコンド師範団交換事業が速やかに再開されるよう期待する。
 われわれのこうした立場は、わが民族同士力を合わせて北南関係、統一問題をスムーズに解決していこうという愛国愛族の一念から出発したものである。
 われわれは、南側がわが方の正当な措置に肯定的に対応するものと確信する。
(元記事・朝鮮中央通信…朝鮮新報2001・10・15の記事より)


2001年11月14日:南側は民族に謝罪すべきだ

北南閣僚級会談北側代表団が14日、第6回北南閣僚級会談と関連して発表した声明の全文は次のとおり。

 内外の期待と関心の中、9〜14日、金剛山で第6回北南閣僚級会談が行われた。
 6.15共同宣言の根本精神が重大な挑戦にぶつかり、第5回北南閣僚級会談の合意事項の履行が停滞状態に陥った緊張した情勢のもとで開かれた今会談は、北南双方がいつになく忍耐力を発揮し、誠意のある努力を傾け、事態の根本原因を取り除き、現実的な対策を取ることを求めていた。
 このことからわが方は、どんなことがあっても歴史的な6.15共同宣言の根本精神に合致するよう、わが朝鮮民族同士で力を合わせて難局を打開しようとする立場から、合理的な提案とともに共同報道文の草案まで示し、合意をもたらすために努力の限りを尽くした。
 わが方は共同報道文の草案で、延期された第4回離散家族・親せき訪問団の交換を南朝鮮での事態を早急に解決して11月中に行う問題、同胞愛の見地から現在その解決が切実に求められている金剛山観光事業の活性化のための北南当局者間の会談を11月20〜22日に金剛山で行う問題、鉄道、道路など断ち切られた民族の動脈を結び、経済分野をはじめ各分野の協力と交流を拡大、発展させるための北南経済協力推進委員会第2回会議を金剛山で12月初めに開く問題、その他北南テコンド師範団の交換を南側の「非常警戒措置」が解除されしだい早期に実現し、第7回北南閣僚級会談をソウルで開催する問題をはじめ、合理的な諸提案を示した。
 わが方のこのような提案は、現在の北南関係の実態と同胞の念願を反映したもので、これが実現すれば疑いなく現在の北南関係を新たな段階へ引き上げ、全民族に和解と団結、祖国統一に対する新しい希望と喜びを与えるはずであった。
 しかし南側は、会談開始当初から結実をもたらすことなく帰ることも考えて来たと言い放ち、合意文の草案も遅れて示すなど、至極不誠実な態度を取った。
 会談で南側は、外部で起こった事件に絡めて「非常警戒体制」を取って武力を増強し、「主敵論」を唱えながら北南関係をこんにちのような重大な状態に陥れた行為を認めて謝罪するかわりに、むしろそれが自らの内部問題だの国際関係問題だのと責任回避に汲々とし、会談に引き続き人為的な難関だけを作り出した。
 しかし、わが代表団は忍耐と雅量を持って会談の前に醸成された障害を打開し、立派な結実をもたらすため誠意の限りを尽くした。
 わが方は南側の意思も尊重しながら結局、離散家族、親せきの再会を12月10日を前後して2泊3日の予定で金剛山で行うことをはじめ、さまざまな重要な事項を合意するに至った。
 第6回閣僚級会談は、北南双方が民族の前に共同報道文を示して幕を閉じることのできる局面を開きつつあった。
 ところが南側代表団の首席代表は、会談ですぐにも発表することになる共同報道文と関連し、双方の実務者が努力して合意した内容までも一瞬のうちにひっくり返す行為を公然と働いた。
 彼は、妥当な理由や根拠もなく独善的に、双方が実務レベルで合意し文案まですべて整理した共同報道文を全面否定し、夜中に一方的に帰ろうとする無礼な態度を取った。
 彼のこのような行為は、統一部長官という職責から見ても、北南閣僚級会談南側首席代表という立場から見ても、ひどく無責任かつ不誠実で非道徳的な態度であると言わざるをえない。
 このように今回の閣僚級会談は、北南対話史に前例を見ない6泊7日の長きにわたる会談として記録されたが、全民族の関心事であり、当事者が今か今かと期待している離散家族・親せき訪問団の交換をはじめ重要な事項について合意しておきながらも南側の首席代表がそれを覆し、結局は結実のない会談になってしまった。
 北南閣僚級会談の展望を暗たんたるものにした全責任は、南側の不誠意ととくには南側首席代表の専横と不純な態度にある。
 第6回北南閣僚級会談北側代表団は、今会談で取った南側首席代表の対話に否定的で独善的な行為に対して抗議し、深い遺憾の意を表する。
 今会談の全過程は、わが国で誰が真に6.15共同宣言を尊重して誠実に履行し、誰がそれを否定して北南関係の発展を邪魔しているのかをあらためて明確に実証した。
 わが同胞は誰も今回の事態を黙認しないであろうし、南側はそのすべての責任を負って民族の前に謝罪すべきである。
 あわせてわれわれは、南側の首席代表が自らわれわれの対話の相手になることをやめた条件のもとで今後、そのような対象と付き合うのかという問題を検討せざるをえない。
 われわれは、南側の態度を注視するだろう。
(元記事:朝鮮中央通信…朝鮮新報2001・11・19の記事より)


2001年11月:第6回北南閣僚級会談に関する朝鮮中央通信詳報

1.

 わが方は、朝鮮半島情勢が緊張し、北南関係が曲折を経ている時に開かれた今回の第6回北南閣僚級会談でその打開策を講究し、結実をもたらすための現実的な方途を打ち出し、その実現のため誠意ある努力の限りを尽くした。
 わが方は今回、緊張を激化させ、合意事項の履行を中断させた障害物を自ら除去するよう南側に原則的な問題を提起した。また南側がわれわれを標的にした「非常警戒措置」をさらに強化し、外部から新しい戦闘機まで搬入して戦争武力を増強し、軍事境界線の近くで各種の戦争演習を行ったことを認めて謝罪する問題をめぐって術策を弄(ろう)した時も、誠実に臨むよう重ねて忠告した。
 われわれは、共同報道文の草案も主導的に提示し、合意の道を追求した。
 わが方の草案には、北南間の対話と協力、交流を積極的に発展させるうえで障害をつくり出さないように努力し、第4回離散家族・親せき訪問団を11月中に交換する問題、金剛山観光活性化のための第2回当局会談を11月20日に、北南経済協力推進委員会第2回会議を12月初めに金剛山で開催する問題、テコンド師範団交換問題、第7回北南閣僚級会談のソウル開催問題などが含まれていた。
 とくにわが方は現情勢と関連し、わが人民が納得できる措置を早急に取るよう強く求める一方、共同報道文の合意のため南側に2日間も時間の余裕を与え、3回にわたる全体会談と2回にわたる団長接触を行い、数日間、徹夜で実務接触を続けながら柔軟な解決方途を再度提示した。

2.

 南側は、一貫して現在の緊張状態を収拾し双方の合意事項を履行しようとする立場ではなく、非常に誠意のない態度を取った。
 第6回閣僚級会談の場所の問題をもって不当な主張をし、1週間以上も会談を遅延させた南側は会談の前夜、われわれと絡めて「非常警戒措置」をさらに強化し、外部から武力を大々的に増強し、われわれに反対する各種の戦争演習で国の情勢を極度に緊張させた。
 南側の首席代表は会談で、「非常警戒措置」は国際テロに対応するための「予防」措置だの「南北往来者の安全保障のため」だのとお粗末な弁解を並べ立てる一方、「非常警戒措置」が自分らの内部問題であるという主張まで唱え、われわれを標的にした「非常警戒措置」を解除するようにとの正当な要求に正面から挑戦してきた。
 果ては、国防長官が会談を目前にした時期にあえて同族を「主敵」とみなすと公言したことまでひ護し、「主敵」という概念のため北南間に緊張がかもし出されるのではない、停戦状態が持続され信頼構築のない現状況で「主敵概念」は不可避であるなどと述べた。
 さらに重大なのは、6.15共同宣言の基本命題である「わが民族同士」という意味を、「国際社会との断絶」や「孤立」などと冒とく、わい曲する一方、「国際社会と協力し、外部勢力に依存すべきである」という事大売国的な妄言まで並べ立てたことである。民族的尊厳もなく、どれほど事大根性が骨の髄まで染み付いていれば、同族を傷つけようとする南朝鮮駐屯米軍の武力増強に対しても「戦力の空白を埋めるための不可避の措置」だと力説するのであろうか。
 南側の不当な態度は、第4回離散家族・親せき訪問団の交換問題討議でさらに集中的にさらけ出された。
 南側の首席代表は、あたかもわれわれが事前通告なしに一方的に訪問団の交換を延期したので実現されなかったかのように言ったが、南側が離散家族・親せき訪問団の交換を実際に妨げた「非常警戒措置」なるものを取る時にそれをわが方に事前通知したのか答えてみよと尋ねてみると、一言半句もできなかった。さらに11月中に南側で「非常警戒措置」を解除して訪問団を交換しようというわが方の提議に対し、南側は一貫して拒否した。
 わが方が南側の不当な立場と態度を重大視し、問題視するや、彼らは離散家族、親せきの再会を、安全性が保たれている金剛山で行おうと提起した。わが方は、南側が金剛山においてでも訪問団の交換を行おうと提議したことを了解し、離散家族、親せきの再会を北と南が12月10日を前後して1週間おきに2泊3日で行おうとの現実的な提案を行った。
 こうして、双方の実務者間では金剛山地域で訪問団を交換する日取りまで合意することになったが、南側の首席代表は突然自分の首の心配を先にして、離散家族、親せきの金剛山での再会の問題に反対し出した。
 彼は、離散家族・親せき訪問団の問題を不必要に第7回閣僚級会談の日時と経済協力推進委員会第2回会議の場所の問題と結びつけ、訪問団の交換が実現されなくても国会聴聞会でたたかれるようなことはないとの態度を取った。
 南側の不当な立場は、北南経済協力推進委第2回会議と第7回北南閣僚級会談の時期と場所の問題を討議する時にはっきり表れた。南側は、緊張状態がかもし出されている自らの地域で対話も往来もできないということを認めておきながら、経済協力推進委第2回会議を金剛山ではなくソウルで行おうという矛盾した主張を唱えて会談に人為的な障害をつくり出した。
 われわれは今会談を成功させたい一念から、これもまた譲歩して第7回閣僚級会談の場所をソウルにするが、日程は双方が便利な時期に決めようとの合理的な提案を打ち出した。
 われわれの正当な論理と雅量のある譲歩により、実務接触では北南共同宣言の履行意志を再確認し、離散家族、親せきの再会を金剛山で12月10日を前後して実施し、金剛山観光活性化のための第2回当局会談と経済協力推進委員会第2回会議を11月と12月に金剛山でそれぞれ行い、第7回閣僚級会談をソウルで双方が便利な時期に開くとの内容で共同報道文の草案が完成した。あとは、第6回北南閣僚級会談の全体会議で共同で確認し、発表するだけになっていた。
 ところが、この全体会議を数時間後に控えて北南閣僚級会談南側首席代表の洪淳瑛が突然、自分が南側に帰ると誰かの「尋問を受けるかも知れない」とか、誰かに「負担を与えたくない」、また「外交官としてのみ務めていたので南北関係がこんなに難しいものだとは思わなかった」、「共同報道文を合意できずに帰ってもかまわない」などと言いながら、すでに合意した事項まで全部覆す妄動をためらうことなく取った。
 このため、北南共同宣言の履行と北南当局対話の運命にかかわる第6回閣僚級会談は不要な論争の場となり、結局、結実もなく終わらなければならなかった。

3.
 
 南側が今回の会談で共同報道文の最終合意を故意に突然覆し、会談を物別れにさせた本心は明白だ。それは、民族より外部勢力を優位に据え、そのためにすべてを犠牲にする事大主義的根性から発したものだ。
 6.15北南共同宣言の核は、わが民族同士で力を合わせて民族の運命を開拓し、祖国を統一することである。今回の会談で取った南側の立場と姿勢を一言で評すれば、まさにこの核を捨てて宣言の基本精神からはるかに外れていることに問題があると言える。
 南側は、6.15北南共同宣言の根本精神を否定するような誤った立場と姿勢を必ず放棄すべきである。
(元記事・朝鮮中央通信…朝鮮新報2001・11・19の記事より)


2002年2月27日:金剛山統一行事破たんの責任を厳しく追及する

 朝鮮中央通信によると今年初の統一行事として金剛山で予定されていた「民族の団結と統一を促すための2002年新年を迎える北南共同の集い」が破たんしたことで、共同の集いの北側代表団は27日、声明を発表した。
 声明によると米国とそれに操られている南朝鮮の極右保守勢力の策動により、行事を1日後に控えた時に行事の発起団体である「6・15南北共同宣言実現と韓半島平和のための統一連帯」代表たちの行事参加がなんの妥当な根拠もなしに全面「不許可」となる異常な事件が発生した。
 これによって南朝鮮の民主主義民族統一全国連合(全国連合)、全国民主労働組合総連盟(民主総労)「韓国労働組合総連盟」(韓国労総)、民主労働党、祖国統一汎民族連合(汎民連)南側本部、「韓国大学総学生会連合」(韓総連)、全国農民総同盟(全農)をはじめ統一運動団体の代表90余人が今回の金剛山行事に参加できなくなり、よって予定されていた「民族の団結と統一を促すための2002年新年を迎える北南共同の集い」が破たんする事態に至った。
 声明は、これは極めて深刻で憂慮を禁じえない重大な事態であるとし、次のように続けた。
 今回の事態の原因は、全的に米国の計画的な破壊陰謀策動に起因している。
 特に米国は、今回、ブッシュの南朝鮮行脚直後にソウルに続いて金剛山でも反ブッシュ、反米の声が上がることを恐れ、南朝鮮の極右保守勢力をそそのかして陰に陽に金剛山統一行事に統一運動団体が参加できないように圧力を加える一方、行事自体を破たんさせるために不純な策動を執ように強行した。われわれは、米国の反統一的罪過を全民族の名において断固糾弾する。
 同時にわれわれは今回の事態に関連して、ハンナラ党など極右保守反動勢力にもその責任があり、彼らの圧力を恐れる統一部にも問題があると認める。
 われわれは米国とその追従勢力の策動のため、今回の金剛山共同行事が予定通り行われなくなった責任を厳しく追及し、その罪過をしっかり計算するであろう。
 北南対決を助長し、情勢を変化させようとする米国とその追従勢力の策動は日増しに重大になってきているが、6・15共同宣言をあくまで履行して朝鮮民族同士で必ず国の統一を実現しようとする7千万民族の意志を決してくじくことはできない。
(元記事・朝鮮通信…月刊論調2002・2の記事より)


2002年4月4日:金剛山観光収益『転用』説を非難

 朝鮮中央通信によると、朝鮮アジア太平洋平和委員会のスポークスマンは4日、米国が共和国に反対する新たな謀略騒ぎを繰りひろげていることで談話を発表した。
 最近、米議会調査局は議会に提出した「韓米関係報告書」なるもので、われわれが金剛山観光収益を軍事用に「転用」しただの、現代グループがわれわれに秘密資金を提供したものと信じているだの、われわれに反対する新たな謀略騒ぎを繰りひろげている。
 スポークスマンは、米国のこうした策動は、朝鮮半島で新たな戦争を挑発しようとする自国の企図を正当化し、それによってさらに高揚してしる南朝鮮人民の反米感情を鎮め、南朝鮮に圧力を加えてより多くの兵器を売りつけようとする下心から出たものであり、北南間の協力のシンボルとなっている金剛山観光事業を破たんさせて北南関係を逆戻りさせようとする企図から発したものであると暴露した。
 また、米国のブッシュ政権が執権初期から金剛山観光事業を破たんさせようと策動してきたことに言及し、民族の大きな期待と関心のなかで始まった金剛山観光事業が今日のように低調になったのは、全的に米国の権謀術数と謀略策動のためであると指摘し、次のように強調した。
 諸般の事実は、米国こそ6・15北南共同宣言の精神にのっとってわが民族同士で行う交流と協力活動はもちろん、祖国統一も妨げるもっとも極悪な民族の敵であることを再度明白に示している。
 われわれがすでに再三せん明したように、米国が現在のように北南間の民間級協力活動として行われている金剛山観光事業を妨げるため引き続き策動するなら、わが人民の反米感情をさらに高める結果だけを招き、全朝鮮民族のさらなる抗議と糾弾にぶつかることになるであろう。
 米国は今からでも金剛山観光の妨害策動を直ちにやめ、理性をもって分別ある行動を取るべきだろう。
(元記事・朝鮮通信…月刊論調2002・4の記事より)


2002年4月:金正日総書記、金大中大統領特使一行と会見

 金正日総書記は4日、平壌を訪問している金大中大統領の特使、林東源・大統領外交安保統一問題担当特別補佐役、そしてその一行である金保鉉・国家情報院次長、趙明均・統一部局長、徐勲・青瓦台局長と会見した。会見には、朝鮮労働党中央委員会の金容淳書記、林東玉第1副部長が同席した。
 席上、林特使は金正日総書記に宛てた金大中大統領の親書を伝達した。
 金正日総書記はこれに謝意を表し、特使と温かい談話を交わした。
 また金正日総書記は、特使一行のために夕食会を開いた。

 金容淳書記と林東源特使との第2回会談が5日、行われた。 会談で双方は、朝鮮半島に作り出された重大な難局を打開し、凍結した北南関係を解決していくための対策的問題などを協議した。
 双方は、北南関係を全般的に改善し発展させていくための共同報道文の発表に合意した。
 共同報道文は、平壌とソウルで同時に発表することになった。 
 また、林東源特使一行のために昼食会が同日、開かれた。金容淳書記、姜能洙文化相、安京浩祖国平和統一委員会書記局長ら関係者が参加。林東源特使と金保鉉・国家情報院次長、趙明均・統一部局長、徐勲・青瓦台局長ら一行が招かれた。
 昼食会は、相互理解のふん囲気のなかで行われた。

 本紙既報のように、林東源特使は3日に平壌入りし、同日、金容淳書記と第1回会談を行った。
 朝鮮通信によると、会談で北側は、今回の林特使を受け入れた理由について次のように指摘した。
 「今回、われわれが林東源特使の平壌訪問要請を受け入れたのは、民族が直面している重大な事態と関連し直接、膝を交えて南側がわが民族同士、力を合わせて国の統一問題を解決していくための6・15北南共同宣言の基本精神を尊重し、民族同士、共助していく意志があるのかどうかに対する明白な回答を聞くことにある」


 金大中大統領の特使である林東源・大統領外交安保統一問題担当特別補佐役の平壌訪問にともない、5日に発表された北南間の共同報道文は全文つぎのとおり。

 南側の要請に従って、チュチェ91(2002)年4月3日から5日まで、金大中大統領の特使である林東源・大統領外交安保統一問題担当特別補佐役が平壌を訪問した。
 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会の金正日委員長は南側特使一行と会見し、金大中大統領の親書を受け取り、夕食会を開いた。
 滞在期間、朝鮮労働党中央委員会の金容淳書記と林東源・大統領外交安保統一問題担当特別補佐役との会談が行われた。
 この過程で双方は、最近かもし出された朝鮮半島情勢と民族の前に迫った重大な事態、そして北南関係で提起される諸般の問題について幅広く協議し、つぎのように合意した。

 1、双方は、歴史的な6.15北南共同宣言の基本精神に合致するよう、互いに相手側を尊重し緊張状態が作られないよう努めることにした。

 2、双方は、民族同士力を合わせて統一問題を自主的に解決することに関する共同宣言の合意事項に沿って、この間、一時的に凍結された北南関係を原状回復することにした。

 3、双方は、北南間の寸断された鉄道と道路を連結することが重要との認識のもとに、東海地区で新たに東海線鉄道および道路を、西海地区で新義州―ソウル間の鉄道および開城―ムンサン間の道路を速やかに連結することにした。

 4、双方は、北南間の対話と協力事業を積極的に推進することにした。

 ―北南経済協力推進委員会第2回会議を5月7日から10日までソウルで開催する。
 これとともに鉄道と道路の連結、開城工業地区建設、臨津江水害防止対策などを討議するための北南経済協力推進委員会のもと分科を稼動させる。

 ―金剛山観光活性化のための第2回当局間会談を6月11日から金剛山で行う。

 ―第4回離散家族・親戚の面談を4月28日から金剛山で行う。

 ―北側はすでに合意した経済考察団を5月中に南側に派遣する。

 ―双方は以上の合意事項の履行、進展にともない第7回北南閣僚級会談を開催する。

 5、双方は、北南軍事当局者会談を再開することについて、軍事当局に建議する。

 6、双方は、同胞愛と人道主義、相互扶助の原則で互いに協力する。

チュチェ91(2002)年4月5日


(元記事・朝鮮通信…朝鮮新報2002・4・8の記事より)


2002年5月:第四次北南離散家族、親せきが再会

 朝鮮中央通信によると、北南離散家族・親せきの第4次再会が4月28日から30日、5月1日から2日まで朝鮮民主主義人民共和国の金剛山で行われた。
 再会では、北南双方から100人の肉親が家族・親せきと対面した。

  ※北側家族と南側肉親100人:(4月28〜30日)

 北と南の離散家族、親せきの全体対面が4月28日、北側の金剛山ホテルで行われた。
 歴史的な6.15共同宣言発表後4回目となる今回の再会では、4月初、南側の要請で行われた南側特使の平壌訪問時に合意、発表された共同報道文に従って各々100人が離散家族、親せきと再会した。
 29日には、個別で家族が再会し、北と南の家族、親せきは家庭的な雰囲気のなか再会の喜びを分かち合い、食事もともにしながら肉親の
情を厚くし、統一愛国の心を励めた。
 北の家族、親せきは、南の再会者に家族の幸せな姿を撮った写真を見せたり、手紙も伝えながらむつまじい雰囲気を盛り上げた。
 平壌市江東郡在住のリ・シンホ氏は南から来た弟に、金正日総書記が南にいる母に90歳の誕生日の祝膳を贈るようにしたことについて伝えた。元山市のキム・ボンヨン氏は兄と会った席上、ありがたい社会主義制度のおかげで兄弟と子供が大学を卒業して希望どおりの職場で働いており、幸せに暮らしていると話した。
 北の肉親は、民話と統一の歌を歌いながら祖国統一偉業の遂行に献身する確固たる意志を表明した。
 また、北と南の同胞が互いにカを合わせて歴史的な6.15共同宣言を徹底的に履行することにより、統一祖国の明日を一日も早く迎える
ことを切々と呼びかけた。
 南の肉親も、祖国統一をなし遂げ、北の家族、親せきと一緒に暮らすその日をめざしてカの限り努力する決意を固めた.。
 北と南の肉親は、互いに記念品を交換した。
 一方、北側の赤十字会中央委員会は28日夕、金剛山ホテルで北と南の離散家族、親せきのため宴会を催した。


   南側家族と北側肉親100人:(5月1、2日)
1、2の両日、わが方の100人が南側の家族、親せきと再会した。
わが方の再会者たちは、南側の家族、親せきと全体対面を行い、また家族別に会った。
 むつまじい家庭的雰囲気のなかで、北と南の家族、親せきは50余年ぶりに肉親の情を交わし、食事もともにしながら意義深い時間を過ごした。
 わが方の再会者たちは、南の家族、親せきに自らの人生行路について誇らしげに紹介した。
 南側の家族、親せきは、この地の千万の子息を差別なく幅広いふところ・に抱いて何の不便もなく暮らせるようにしてくれる限りなくありが
たい朝鮮労働党と共和国政府の人民的施策に深い感銘を表した。
 一方、南側の赤十字社は、わが方の再会者たちと南側の家族、親せきのため宴会を催した。
 わが方の対面者たちは、南の肉親とともに名勝地の三日浦を見て回った。             
(元記事・朝鮮通信…月刊論調2002・5の記事より)


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