九成地区
(クソン地区)


九成地区地図
財団法人金剛山協会発行・金剛山探勝コース図・1939年より )


金剛山最高峰、毘盧峰の北を源とする九成洞(クソンドン)渓谷一帯に
広がる名勝地を九成地区と呼びます。
場所的に他の地区と離れ、不便な場所にあることもあり
金剛山の中でも、なかなか知られることの少ない地区のようです。
この地区最大の名所は金剛山4大瀑布のひとつ、玉永(オギョン)の滝(注1)です。
玉永の滝は落差約40メートルの二段の大滝で、
滝の上部には深くえぐられた臼型の甌穴(おうけつ…注2)があります。
玉永の滝以外にも、能仁・九天・棠陰・九一などの大小の滝や美しい淵などの渓谷美
更には奇岩・怪石の奇勝や季節の花々や紅葉を堪能出来る、
九成地区は文字通り金剛山の穴場的存在です。

ちなみに日本統治下の1931(昭和6)年には、
九成洞の景勝を観光する観光客の便宜を図るために、
建設費2400円を投じて九成洞を探勝するコースの整備がされました。




朝鮮金剛山大観(1935年・徳田写真館刊)より朝陽の滝(注1)


金剛山(1991年・ピョンヤン・朝鮮画報社刊)より、玉永の滝

(注1)玉永の滝は、日本統治下では朝陽の滝と呼ばれていました。
ただし1981年ピョンヤン・外国文出版社刊の金剛山では
朝陽の滝となっており、名称がいつ変わったのかは不明です。

(注2)甌穴とはポットホールとも呼ばれる。渓谷沿いにある石が水の渦巻き状の流れによって
渓谷の岩盤を削り取り、岩盤に深く丸い穴を空けてしまうことがあり、その穴のことを言います。



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