虫たちと花・そして愛

馬場京子さんの幻想世界





馬場さん(奥の女性、手前右はふとまき、左はのりまき)

幻想画家・馬場京子さん……京都在住の彼女は、いつも派手ではないが黒を基調に纏め上げた感じの良いファッションに身を包んで登場する。手持ちのバックやアクセサリーなども高級なものを使っているようだが、決して見せびらかす風でもなく奥ゆかしい。そして馬場さん御本人はというと、小柄で目のぱちくりしたなかなか可愛らしい女性である。
関東地方で育ったのりまきとしては、“京女”とはきっとこういう女性をいうのだろうなあ……などと勝手に思い込んでしまう。話し方もどことなくおっとりしていて上品だ。(お話の内容の品までは完全保証しかねるが…笑)
彼女は、昆虫や花や人間や動物が一体となった不思議な絵を描く。馬場ワールドの魅力をあえて解説するのならば、現実世界の物語からひとつ飛び越えたかのような、幻想世界に遊ぶ感覚。そして絵全体から漂いだす艶めかしさを味わうことだと思う。
馬場さんは生粋の京都人ではない。生まれは神戸だという。神戸といえば都会のイメージが強いが、彼女の生まれ育った場所は緑の多い、自然に恵まれたところだったらしい。「初夏ともなると良く、お風呂場にカエルがいて、一緒に入浴しました」。というくらいだから、とにかくカエル以外にも多くの昆虫たちに囲まれた少女期を過ごしたようだ。
馬場さんの父親は頑固だが面白い人物だったようで、植物図鑑や春画を集めることを趣味としていた。そして馬場さんは、父親の植物図鑑や春画(!)コレクションを眺めつつ、空想世界にトリップする少女だったようだ。
京都の北山にある馬場さんの自宅の地下室:彼女はいつもいつも、その地下室にこもって絵の構想を練り、創作活動に励んでいる。馬場家一階の床に地下室の入り口がある。その入り口を空けてみると、急な階段がある。その階段こそ、馬場京子の幻想世界の入り口のひとつなのだ。
床を空けるとそこには急な階段がある。気を付けながら階段をを降りていくと、多くの画材や資料が詰まっている狭い地下室に辿りつく。その地下室で大切に保存されている、幼い頃馬場さんが読み耽ったという図鑑には、ところどころ落書きがある。
「ワニとかカエルとか、普通の女の子が嫌いなものが好きだったんですね。そういうとこばっか落書きしている」。馬場さんはパラパラと図鑑をめくりながら笑う。

この地下室の秘宝といえば、なんといっても馬場さんが父から譲り受けた春画や写真である。男女の性の営みを露骨に表現した多くの春画や写真……これらは馬場ワールドに多くの栄養を与えたようだ。
「まあ、こういうのを参考にしながら、絵の練習をしていた時代もありました……エロトマニアの時代……と呼んでいるんですけど」。そのころ馬場さんは某SM雑誌の絵を手掛けたこともあり、いろいろと誤解されてしまったこともあるという。







現在、芦屋市にあるアシャックという高級レストランに馬場さんの絵がたくさん飾ってある。なんでもオーナーが馬場さんの大ファンだということであるが、館内を飾る馬場さんの作品のおかげで、アシャックはなんだか妖しい呪術師の館のような不思議な雰囲気を醸し出すことに成功している。なお、アシャックは芦屋の高級住宅街の中にあって、結婚式など各種イベントに利用できる場所なので、一見普段着ではなかなか行きにくい雰囲気もあるが、御安心あれ!!『馬場さんの絵を見たい』と話せば、イベントなどで使われていない限り、館長自らの案内付きで絵を見せてもらえる。
でも、いくら喜んで絵を見せてもらえるといっても、レストランでケーキセットくらいは注文するべきとは思うが……


芦屋アシャックでの、のりまき・ふとまき夫婦。後ろの絵はもちろん馬場さんの作品。



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